MIRSとは

MIRS(Micro Intelligent Robot System、ミルス)とは、沼津高専 電子制御工学科で独自に開発した自律移動ロボットの名称です。電子制御工学科では、1988年からMIRS教育プログラムの開発に取り組んできました。現在は、4年生の「電子機械・設計製作」という名前の授業として、このMIRS製作を行っています。その集大成として、毎年1〜2月頃、学内で「新製品発表会」と「展示会」を模擬した形のイベント”MIRS発表会”を開催しています。また、授業資料を始め、MIRS標準機や各チームが設計したロボットの技術資料は、MIRSデータベースとしてWebで公開しています。

MIRSのねらい

本カリキュラムでは、チームによるロボットの設計・製作を通じて、機械系・電気電子系・情報系の工学基礎を統合した電子制御システムを構築する技術を習得することをねらいとしています。そして、企業における製品開発のプロセスを模擬することにより、エンジニアとしてのモノづくりの礼儀作法を身につけます。MIRSを経験することにより、将来、ロボット業界だけでなく、様々な企業において活用できる実践的なエンジニアとしての資質を養います。

MIRSの進化と深化

電子制御工学科設立当初から30年以上にわたり、脈々と受け継がれてきた開発プロセスの中には、設計ドキュメントの整備や、デザインレビュー(設計検討会)、企画提案型プレゼンテーションなど、座学の授業ではなかなか経験できない”伝える力”を発揮する場が随所にあります。また、プロジェクトマネージャ・開発リーダーを始め、メカ・エレキ・ソフトの担当に分かれ、リーダーシップ・メンバーシップを発揮しながら、一つのロボット開発にチーム一丸となって取り組みます。不具合の発見や原因分析、不具合報告といった、トラブルシューティングの経験も、社会に出て必ず役に立ちます。世の中の技術の進歩に合わせて、独自に開発した標準機体も進化を遂げてきました。2017年度より第4世代のMIRS MG4(MIRS Generation 4)となり、変わらない本質的な理念と、変えていくべき技術的・社会的動向を精査しながら、教育プログラムを一段と深化させました。