MIRS1204 管理台帳へ戻る
名称 |
MIRS1204 開発完了報告書 |
番号 |
MIRS1204-REPO-0002 |
最終更新日:2013.1.25
版数 |
最終更新日 |
作成 |
承認 |
改訂記事 |
A01 |
2013.2.15 |
片山量弥 栗田心大 |
|
初版 |
目次
- はじめに
- 開発スケジュール分析
- 開発工数分析
- 総括
- 所感
本ドキュメントは、MIRS1204のMIRS開発の分析と総括をまとめたものである。
予定していた開発スケジュールを実際の開発状況と比較、分析する。
ソフト、ハード共にレビューが省略された為、作業を早めに始めることができた。
しかし、スケジュールを見ると実際に想定していなかった作業が後半に入ることで、後半の作業が圧迫されていることがわかる。改良、デバックのための時間余裕をスケジュールに組み込むことが開発では重要であると考えられる。
まず、作業時間の表を示す。
まず、全体の作業時間におけるメカ・エレキ・ソフトの割合を示す。ただし、MIRS製作にかかった時間を見るため、プロジェクト班の作業時間は除外して計算している。
メカは大きな改造を計画していなかったので作業割合としてかなり少なくなっている。
エレキが最も多くの時間を占めている。要因としてMTCB等のデバック作業に時間がかかったことが考えられる。
ソフトも作業割合として大きくなっている。これは各パラメータの調整とソフトの製作自体に時間がかかったためと考えられる。
次に、各担当ごとの作業時間の割合と参考として担当ごとの平均作業時間を示す。
作業時間としては、もっともエレキ班が長かったことがわかる。
それでも突出して多くなかったのは、担当ごとの作業内容の割合からわかる通り、エレキを班員全体で行ったためと思われる。
最後に、全体の作業時間における授業外時間と授業内時間との割合を示す。
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- 競技会
競技会は結果的に一回目がロータリークリアの20点、2回目が0点の計20点だった。競技会でMIRS1204がリタイアした理由は以下2点である。
・競技コースの想定ミス
元々直進状態でステップ・シーソーを攻略することを想定してMIRS1204は 設計されていたため、競技会場のように曲がり角からはいってすぐのところにあるシーソー・ステップに対応できなかった(実際には、ステップに斜めに入ることでタッチセンサーが正常に反応せず、ステップにひっかかったまま止まってしまった)。また、最速でゴールすることを目的としていたため、止まった時の救済処置は全く考慮していなかった。
・直進性の低下
MIRS1204はタッチセンサーによって壁を認識することを想定しており、直進走行についてはハードに大きく頼っていた。しかし、競技会では直進性があまり高くなく、早い段階で通路に引っかかってしまい抜け出せない状態になってしまった。
- 全体
マネジメントとしては、一年を通して大まかにメカとソフトに別れてエレキにはその間をとりもってもらうような状態であったが、仕事が平等に行き渡るようにすることができなかった。他の班に比べて作業時間がかかってしまったのも、上からの作業の振り分けが曖昧で、各担当ごとの間をとりもつことができなかったことが大きな要因であると考えられる。
改善策として、毎回授業の開始時にミーティングを開くようにすべきだったと考えられる。そうすることで、各担当ごとの作業を助け合いながら、また無駄を省きつつ効率的に進めることができる。
- メカ
MIRSのメカの振り返りとして
メカという位置づけながら前期では去年のMIRSの分解以外メカらしいことは行わず、特にMTCBの不具合の対策・改善などのエレキの仕事がほとんどを占めていた。高専祭が終わった後から本格的にそれぞれの仕事に分かれていき、メカはサスペンションの設計、機体に設置する各基板の配置、軽量化、機体の改良などを行った。図面を書くことにより改良したい部品を生産するので、ネジがはまらないなどのトラブルは一切なかった。機体の改良が終わった後は、プログラムを入れて走行させたりして、走行している際にハード側で何か問題があればそこを改良していった。このようにして作業を進めていき最終的にプログラム班、エレキ班と協力して作業を行っていった。全体的に目標が一致していたので、早い段階で機体の設計が決まりメカとしてはスムーズに作業は進んだ。
- エレキ
1204班のエレキは、既存の基板を新品にし、自らの手で作り出したもの以外信用しない精神でMIRS搭載の基板を加工してきた。
また、新品にする過程でいくつかのオリジナルな要素を基板に加えてみた。代表例がUSBケーブルである。(USBの端子のみ利用。通信方式は利用しない。)
そのおかげで、競技会直前の追い込み期間では、I/Oエラーなど回路が原因の不都合はほとんど言っても過言ではないほどまでに激減した。
加えて、先人の知恵をありがたく頂戴し、表示の方法だけを変えたものも作り出し、MIRSに搭載してきた。
競技会も間近となった頃、エレキ班が不在の際、ソフト班メカ班にも回路のデバッグができるように、トラブルシューティングを作成したが、実際はこれはMRIS開発の初期段階に導入すべきものであった。
- ソフト
夏季休業明けからソフトウェア班内でさらに担当を分け、ローテーションで作業を行うことを意識して開発を行いました。
特に高専祭(プレ競技会)前の集中講義で効果を発揮し、効率良く開発を進めることができたと考えています。
欠点としては早期から担当を分けたことで同じソフトウェア班内でも担当者しかわからないプログラムが増えてしまったことです。
わからない部分の手伝いができないためローテーションにおいて終盤では仕事量に差が出てしまい、個人の負担が大きくなってしまいました。
これが急に見つかった問題へのデバックの遅さにつながり、競技会の結果の大きな要因になってしまいました。
全体としてはソフト、ハード、エレキに関わらず、多くの班員に協力してもらい問題点は多々あったものの高い完成度のプログラムができたと考えています。
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- 片山量弥(マネージャー・メカ)
MIRS1204の皆さん、一年間ありがとうございました。
私はこの一年チームのマネージャーを務めさせていただきましたが、立場によって見方が変わるということを学んだ一年でした。
まずマネージャーとしての作業について振り返ってみると、とても無駄の多いマネジメントになってしまったと感じます。
結果的に「皆が作業しやすい環境づくり」ができなかったというのがその理由です。
年度が始まった当初から私は「みんなが作業し易い環境づくり」を目指してきました。というのは、ロボコンや実験などの様々な場面で常々感じていたことで、人間関係が上手くいかないとチーム開発は成功し得ないという考えがあったからです。
チームでの担当決めや方針の決定など、意見が割れそうなイベントには得に注意を払って、いざこざが残らないようにいくようにといつも考えていました。しかし、結局さまざまなところでいざこざが発生してしまいました。
その主な理由として、それぞれが受け持つ作業が違うこと、同じ時間に平行で進行することができない作業があること、人によってできる作業とできない作業があることが挙げられます。
これらが結果的にある種不平等な作業を生み、お互いにしっかりとした信頼関係を築くにあたって障害となってしまいました。
チームで効率の良い作業をするにはみんなが納得できるように立ち回ることも大切ですが、時にはある程度思い切った決断も必要です。そういった思い切った行動をとり、方針をしっかりと定めるべきだったのはマネージャーである自分だったと今になって強く感じます。
チームの一員としてのこの一年について振り返ってみると、チームのメンバーのことを深く知ることができた一年でした。
一緒に長い時間作業することであまり知らなった一面を見ることができました。
個人的にチームに関わりづらいプロジェクトチームの藤田がわりとみんなの中に入っていたことが嬉しかったです。
- 伊藤丈矩(エレキ)
自分はエレキ班として働いてきたが、ほとんどは田代の指示を受けての役回りだった。
そこで、競技会も近くなった頃に、自分をアピールできるようにMIRSの状況表示盤を作成しにかかった。
しかし、MIRSとの通信関係の回路が大変複雑で自分にとって開発は困難であった。そこで、現5年生のお力をお借りし、競技会にはなんとか状況表示盤で状況を表示できるようにできた。
MIRSからのステップアップとして、時間があるときには回路の勉強をし、最終的には一から回路を作り、実用可能なものを作りたいと思う。
- 荻貴大(メカ)
MIRS1204にてメカを担当しました。
序盤〜中盤にかけてはMTCBのデバックの手伝い、開発末期では画像認識プログラムの作成・サス等の製作・回路のデバックを行いました。
メカに従事していた時間の短い一年で、メカらしい仕事といえばサスや支柱等の作成ぐらいなものでした。
それが終わってからは回路のデバック作業が作業時間の大半となりました。
何かを作ることよりも直すことのほうが多かった一年ではありますが、中嶋くんとの画像認識プログラムの開発が強く印象に残っています。
画像プログラムの中でも取り出した画像の保存と数字の判断を作成したのですが、中嶋君の輪郭の取出しが精度がよかったため、最終的にかなり満足のいくプログラムになったと思います。
この一年間で、最も感じたのは仕事は自分から見つけていかなければいけないことです。
この一年間、前述のとおりメカとしての作業は多くなかったため、どうしても暇な時間ができてしまいました。
エレキのデバック等の手伝いなどはしましたが、それでも作業に必要な人数から考えるとどうしても余ってしまうことがありました。
そうした状況の中で画像認識プログラム制作をしていた中嶋君に手伝いを申し出たところ快諾してもらったのは非常に助かりました。
これは授業の一環としての時間でしたからよかったものの、これが会社等でしたら許されるものではなかったと思います。
こうした経験をこれから社会に出ていくにあたって活かしていきたいと思いました。
- 荻江諒(DM・ソフト)
自分は、MIRS1204の中でDMとソフト担当として一年間やってきました。
特にソフトが得意というわけではないし、DMも誰もやらないから担当することになったのでしっかり責任を果たせるか疑問に思ってましたが、一年間無事終えることができて良かったです。
ソフト開発では、中嶋や小池さんの仕事に頭が下がるばかりでした。(関数名に自分の名前を付けられたりもしましたが...)
それでも、残業時間に比例するように、楽しいことや達成感があり、みんなで協力して一つのものを作り上げることは、自分にとってすごく貴重な経験になりました。
また、頭であれこれ考えることよりも手を動かして何か作ることの方が、自分は好きなのだと気づかされました。
競技会が終わってからは、DMとして管理台帳の見た目にこだわってみました。
すでにいろいろといじって派手になりましたが、英語版を作っている変な人もいるので、時間の許す限りまだまだ遊ばせてもらうつもりです←
とは言え、htmlやスタイルシートの書き方について詳しくなれたので、これはこれでいいスキルアップにつながったと思っています。
とりあえず、みなさんお疲れ様でした。
そしてだれか自分に食料を恵んでください。いつでもどこでも募集してます。
- 栗田心大(メカ)
MIRSを一年間行っていて、まず考えたことはやれる事を探すことと、どんな事でも仕事を分け与えることです。
前期ではMTCBの復旧作業にほとんど毎日費やされ、嫌々ながらMIRSをやっている割には充実感はありました。
なので、MTCBが正常に動作したときはすごく喜びました。
後期はそれぞれの分担に分かれて作業をしましたが、私はメカを担当していました。
前半は設計書を作成したり、サスペンションを作成したりと割と楽しかったです。
自分にできることを探すようにしました。
分担がそれぞれ分けられているのでエレキだったらエレキの仕事をエレキ担当の人と同じようにやるのではなくサポートの形で手伝ったり、メカとしてはこうしてほしいなどの意見をいってできることをやっていきました。
同じように仕事がない人もいたので、自分が作業何かやっている時は手伝ってもらうという様にして楽しく効率よく作業を終わらせることにしました。
一年間大変というよりも疲れた。
思い出は、疲れた事。
- 小池侑紀(ソフト)
この一年間、私はソフト担当として、メインプログラムはじめ、たくさんのプログラムを作成し、相互に呼び出せるようにしていく。という作業を行っていました。
といいますか、オリジナルな関数とか、変な名前の変数とか作りまくって本当にごめんなさい。
競技会が近づいてきて、MIRSがちゃんと動くようになって、ソフトを少しずつ修正して…思い通りに動いてくれたときのちょっとした達成感とか楽しさが、200時間近い授業外時間になった理由じゃないかなと思います。
…最後の最後に競技会に参加できなかったのがすごくすごく残念でしたが、みんな優しい言葉かけてくれてありがとう。
この一年間、つらいことも多かったけど、すごく充実していたし、何より楽しかったです。
MIRS1204のみんな、一年間本当にありがとう!そして、お疲れ様です!
- 田代智貴(エレキ・ソフト)
エレキとソフトの両方を担っていたが、正直どちらも納得できる仕事はできなかったように思う。
やはりどちらか一方に絞ったほうがパフォーマンス・貢献度ともに高くなるのではないかと感じた。
しかし、直進性の向上やI/Oエラーの排除といったMIRSの代表的な問題点をいくらか改善することができたのは大きな成果ではないかと思う。
正直、仕事が多すぎてモチベーションの維持が難しかったので、適当に人に割り振ってこなしていた。もう少し真剣味を持って取り組むべきであったかと少し反省している。
ともあれ、仲間たちと協力して1年間作ってきたMIRSがいきなりI/Oエラーで止まったりといったことはなかったのでよかった。
エレキとしての仕事は自身のスキルアップにもつながったと思うので割合満足している。
特に、回路の小型化等といった実用的なテクニックを身につけられたのは大きな収穫だと思う。
これからも回路の勉強は続けていきたい。
- 中嶋悠斗(ソフト)
一年間お疲れ様でした。
ソフトウェアを担当しましたが初期の電源ボード修復やタイマーの作成を含め広い分野に携わることになりました。
MIRSの開発を振り返ってみるとセンサ関係ばかり担当していました。
特に競技会本番直前から開発を始めた新規の数字認識に関して、短期間で実用にまでこぎつけることができたのは同じ班の荻君、他班なのにOpencvについて詳しく教えてくれた太田君のおかげです。
全体として多種のプログラミングに携わった事で自身の実力も上がったように感じます。
ソフトウェア担当はもちろんですが、メカ、エレキ関係なく1204班員全体にソフトウェア開発を手伝ってもらうことになりました。
お忙しい中ありがとうございました。
- 藤田陽平(プロジェクト)
一年間のMIRS開発を通して、計画的に物事を進めていく力が身につきました。
前半期は主に標準機の組立・各ボードの修復作業などに着手し、後半のオリジナルの開発にアイデアを膨らませながら、MIRSの基本構成を学んでいきました。
後半期はプロジェクトメンバーに選ばれたため、結局開発の方に関わることはできませんでしたが、プロジェクトの仕事もいざやってみると中々面白く、やりがいを感じました。
授業の始めに毎度のように先生が忠告するのは、「この期間までにこれだけの事を必ず実行しろ」ということでした。
これに従って作業中はできるだけその言葉を意識するようにしていました。
期限に間に合わせないといけないという使命感から、時間に追われる場面も多々ありましたが、計画を立てていなければ、競技会までに準備が絶対に間に合わなかったと思います。
最後に、開発に関われず残念な気持ちは少なからずありましたが、チーム唯一のプロジェクトメンバーとして、チームブログやパンフレットを作る中で、自分の個性を生かした仕事ができたと感じ、非常に達成感がありました。
沼津工業高等専門学校 電子制御工学科