名称 MIRS1105-ELEC-0001  LCDボード詳細設計書
番号 MIRS1105-ELEC-0001

最終更新日:2012.01.06

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2011.12.12 木村 匠 高木亮太朗 初版
A02 2012.01.06 高木亮太朗 高木亮太朗 第二版

目次





1.目的

本ドキュメントはMIRS1105に搭載する、MIRSの状態表示用のLCDについて、その製造方法及び試験方法について記載したドキュメントである。

2.LCDボード製造手順

  1. 使用部品
    使用部品は表1のようになっている。


  • 製造手順
      基盤加工機を使用し、基盤の削り出しを行う。尚、基盤加工機用CADデータは本ドキュメント内からダウンロードし、使用すること。
    表1の使用部品一覧と3.回路図、及び5.実装図を見ながら、抵抗・ダイオードなどの背の低い部品から順番に取り付けていく。取り付け向きのある部品に注意する。
    向きのある部品はICソケット・電解コンデンサ・ダイオード・D-Sub9pinメスコネクタ・トランジスタ・3端子レギュレータの4種類である。
  • 表1:使用部品一覧(親機)
    番号 部品名 型番/値 個数
    SP1 LCDディスプレイ SC1602BBWB-XA-GB-G 1
    SP1 PINヘッダ 2×7PIN 1
    IC1 PIC PIC16F628A 1
    IC1 ICソケット 18PIN 1
    IC2 3端子レギュレータ TA4805S 1
    C1 積層セラミックコンデンサ 0.1μF 1
    C2 電解コンデンサ 47μF 35V 1
    TR1 NPNトランジスタ 2SC1815GR 1
    SW1 1回路2接点 スライドスイッチ SS12D01G4 1
    R1 カーボン皮膜抵抗器(1/4W) 24kΩ 1
    R2 カーボン皮膜抵抗器(1/4W) 47kΩ 1
    R3 半固定抵抗器 10kΩ 1
    D1 小信号高速スイッチング・ダイオード 1S2076A 1
    CH1 D-Sub 9pinメスコネクタ
    1
    BB1 9V電池用バッテリーボックス BH-9V-1P 1

    基板
    1



    3.回路図








    4.PCB加工データ





      EasyCAD用加工データ(MIRS1105 LCD Module.zip)
    上記ファイルをダウンロードし解凍後、LCD_caddata.mitを工作室基盤加工機用PCで開く。

    5.実装図





    Fig.1 回路図に沿った実際のLCDボード




    Fig.2 スイッチを入れた状態でのLCDボード

    6.PICプログラム


      PIC用ファイル(MIRS1105 LCD Module.zip)

    上記ファイルをダウンロードし解凍後、ディレクトリPICprogram内のlcd.HEXを工作室のPIC書き込み機を使用してPIC16F628Aに書き込む。
    尚、本プログラムを製作するに当たり、プログラムのほとんどを『高橋 隆雄 (著)やさしいPIC(R)マイコン プログラミング入門 (秀和システム)』を参考に製作した。
    このプログラムを使用、改変する際は、併せて当書籍を一読することをお勧めする。(当書籍は沼津高専図書館にて貸し出しを行っている。)

    7.LCD制御用C言語関数群

    LCDボードの制御に用いる、上位プログラム内で使用する関数群については、MIRS1105-SOFT-0001 LCD制御関数リファレンス にて詳細な仕様を記載した為、ここでは省略する。
    LCD制御関数リファレンスを参照すること。
    MIRS1105-SOFT-0001 LCD制御関数リファレンス
    また、使用方法に関してはMIRS1105-ELEC-0002 LCDボード取扱説明書に詳しい説明が記載されているため、こちらも併せて参照すること。

    8.動作試験

    製作が完了したら動作試験を行う。このLCDボードでは、通信方式としてRS-232C(シリアル通信)を採用している。よってシリアル通信が可能な環境を用意すればよい。
    ここでは最も簡単な、MIRS実機を使用したテスト方法について簡単に解説する。
    1. MIRS本体から超音波センサを取り外し、代わりに作成したLCDボードに接続する。

    2. MIRSを立ちあげ、端末から以下のコマンドを入力する。

      screen /dev/ttyS0 9600 8N1

      ここで、"/dev/ttyS0" はシリアル通信用のデバイスドライバを指定するオプションである。これは、環境によっては/dev/ttyS0でない場合がある。
      その場合、直接/dev以下を参照し該当する通信ドライバを調べ指定すること。
      また、"9600" "8N1"はそれぞれ、通信ボーレート 9600bps、データ長 8bit パリティチェック無 ストップビット "1" を指定するオプションである。
      このLCDボードは調歩同期式を採用しており、その設定は上記のようになる。上記設定以外では正しく通信できないため、注意すること。

      またscreenが実行できない場合、MIRS上から直接screenのインストールを行う必要がある。
      MIRSに無線LANアダプタを挿入(またはLANケーブルを接続)し、外部との通信が可能になった後、管理者権限で次のコマンドを端末から実行する。

      yum install screen

    3. screenが起動するとシリアル通信が可能な状態となる。この状態でLCDボードの電源を入れ、MIRSから何でも良いので文字を打つ。
      接続が正常にできていれば、LCDに英数字、記号など入力した文字が表示されるはずである。(ただし日本語入力には対応していない。)
      また、エンターを入力するとLCD上で改行され、Ctrl-L を入力するとLCDの表示画面が初期化されることも確認する。

    4. 上記が確認できたら打ちこんだ文字と表示された文字が正しいか一通り確認して、問題がなければ試験は完了とする。
    関連文書