名称 MIRS1102 開発完了報告書
番号 MIRS1102-PLAN-0005

最終更新日:2012.2.17

版数 最終更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2012.2.17 澤谷卓也 望月康孝 初版

目次




1.はじめに

本ドキュメントは、MIRS1102のMIRS開発の分析と総括をまとめたものである。

2.開発スケジュール分析

基本設計所作成時に作成した開発スケジュールと、実際の開発スケジュールを下に示す。

開発スケジュール予定


実際の開発スケジュール


多くのことを並行的にこなすことで12月までは順調に進んでいたが、度重なるメカの不良などで時間を取られ、
統合したプログラムや、障害物攻略のプログラムのデバッグ開始の時間が遅れてしまった。

3.開発工数分析

開発の工数をパート毎にまとめる。
項目/氏名 伊庭達哉 石井賢太 坂田光毅 澤谷卓也 西村和真 望月郁哉 望月康孝 山本貴大 合計 平均
ハード 39h 1h 65h 68h 24h 0h 0h 180h 377h 47.125h
エレキ 57.5h 0.5h 92h 119.5h 145h 0h 0h 22h 436.5h 54.565h
ソフト 423.5h 300h 0h 0h 0h 0h 195h 0h 918.5h 114.8125h
その他 35h 50h 61h 77.5h 72h 295h 0h 78h 668.5h 83.5625h
合計 555h 351.5h 218h 265h 241h 295h 195h 280h 2400.5h 300.0625h

4.総括

MIRS開発全体を振り返って、全体およびパート毎にうまくいった点、うまくいかなった点、その原因などを総括する。

  • 全体(マネージャ)
    総括 ドキュメントに関しては、一応すべてのドキュメントに、レビュー前に目を通して、内容の指示を与えたり 、自分自身がドキュメントを作成したりした。
    メカ、エレキに関しては、主にハード的な問題が生じたときに、その解決に携わる形で貢献した。
    それ以外はほとんどソフトの開発に携わった。主な開発内容はソフトの総括に含まれる。
    また、競技会本番及びその直前のプレゼンの作成、発表、競技会中の動作の説明なども行った。
  • メカ
    ・サスペンション
     本番前に一度サスペンションアームが折れてしまったが、設計書を元に修復することができた。
     サスペンションアーム製作の中の30度,60度に曲げ加工する部分で、曲げた後に曲げた部分の側
     面に補強の板を取り付けることでアームが折れてしまうことを防げると考えられる。
     バネを2本入れることで十分な復元力を得られた。
    ・ギア
     ネギ止めの際に、ネジを締めすぎてしまいギアヘッドを壊してしまった。ギアヘッドのギア比を
     変える予定だったため、壊れたことは問題だったが作業の進み具合にあまり影響はなかった。
  • エレキ
    エレクトロニクスでは、主に超音波センサの追加、レギュレータ出力電圧(制御系電源電圧)の増幅、ヒューズBOXの基盤への実装をした。
    前期は、超音波センサの追加をした。作成してもうまく動作しないことがあり、デバックが大変だった。
    後期は、レギュレータ出力電圧を増幅するためにレギューレータボードの抵抗の比を変更した。
    また、標準のヒューズBOXが信用性に疑問が生じたため、ヒューズBOXを基盤へ実装した。
    これら2つのことをして、電源電圧の安定化に成功した。
  • ソフト
     ソフトウェア開発では、標準の走行プログラムでは直進が不安なので、独自の走行プログラムの開発に力を注いだ。
    また、機能ごとに小分けして関数化することで、機能の拡張や新しいプログラムの開発を簡単に行えるようにした。
     数字認識プログラムは、ROI走査を使用することにより、高い数字認識率を実現した。
     完璧な動作をさせるために、多くの機能を追加したため、本番では障害物の攻略や通路走行に時間がかかってしまったが、
     時間をかければ高い確率で障害物をクリアすることができた。
     もう少し整体補正関連の関数のデバッグを行えたら良かった。
     各障害の攻略プログラムのデバッグの時間が足りなく、無駄な動きが多いもので競技会を迎えてしまった。各関数を見直し、
    改良を加えることで時間をかけずにより確実な攻略プログラムが作れたと思う。

5.感想

個人の感想を記す。

・伊庭達哉(マネージャー・ソフト・エレキ・メカ)

 MIRS競技会お疲れ様でした。
 一年間、MIRS1102班のマネージャーとして、自分なりに頑張ってきたつもりです。
 私は、班が決定する前にマネージャーに志願して、マネージャーをやらせていただきました。マネージャーとしての仕事は非常に大変でMIRSもなかなか言うことを聞いてくれず、心が折れそうになることもありましたが、班員のみんなのサポートもあり、最終的に競技会で優勝することが出来ました。
 最初は、ひたすらドキュメントを作成しながら、どんな機能をつけようか、音楽とかならしたり電子コンパスとか積んだりすれば面白いかもしれない、など色々と開発内容を想像しました。しかし、いざ標準機を動かす段階に至ると、MIRSの電源が突然落ちたり、モーターがまわらなかったりと、様々な問題に直面しました。さらに、把握しなければならない内容も非常に多く、MIRS開発は想像していたものとはほど遠いものでした。また、今年のMIRS全体の開発方針から、11月前半まで標準機を用いて開発を行っていたため、MIRS本体を改造する期間が非常に限られてしまったため、様々な検討の結果、MIRS1102本体の改造はシーソー攻略のためのサスペンションのみとして開発期間を短縮し、残りをソフトの開発に注ぐという開発方針にしました。
 結果、どこの班よりも早く本体を完成させ、ソフトに時間を割くことが出来ました。しかし、詳しくは書きませんが様々な問題が発生し、その都度ソフト開発を中断して問題解決に当たっていたため、他のソフト班の人に十分なデバッグの時間を与えることが出来なかったのが、今でも心残りです。
 競技会本番では、時間内にすべてを攻略することは出来なかったものの、タイムアップ後のプレ走行にてゴールまであと1mの所まで行くことが出来ました。鍵・扉の攻略において、鍵を開けた後、右または左にそれて、鍵・扉の入り口の白線を誤って検知してしまったときの復帰処理が甘かったために、DB前までたどり着いたと勘違いして正対補正を始めてしまったのがゴールできなかった原因でした。予想・対策をある程度していたエラーだっただけに、少し悔しかったです。
 様々な問題が生じ、その都度原因を特定・解決するというプロセスは、問題点を洗い出して原因を特定する問題解決能力と簡単なことでは折れない強い心の成長につながったと思います。また、放課後にかなりの時間を要してプログラムを書いたり、作戦を話し合ったりすることも、普段の学校生活ではなかなか出来ない体験だったので、そういったことも含めて得るものの多かったMIRS開発だったと思います。
 何はともあれ、二回の走行で105点という成績で優勝することが出来たのは非常に嬉しいことで、1年間頑張ってきた甲斐があったと感じました。頑張ってくれた班員のみんな、様々な助言をくださった先生方、情報を共有してサポートしあった他の班のみんな、いろいろな人の力を借りて、優勝することが出来たのだと思っています。少し欲を言えば、もう少しパフォーマンス要素を含んだ機能(LEDやLCDなど)を積む余裕をもてれば、もう少し面白かったかなと思います。
充実した一年を過ごすことが出来ました。一年間ありがとうございました。

・石井賢太(ソフト)

 MIRS1102一年間お疲れ様でした。
 私は、MIRSのソフトの画像処理やロータリーやその他プログラムのデバッグをやりましたが、
エンジンがかかるのが遅く、競技会までに100%大丈夫といえるプログラムを作ることはできませんでした。
ですが、ずっと前から悩みの種であった数字認識時のエラーを無くすことができてよかったです。
あと1か月あったらと、競技会前日に思いましたが、1か月早くエンジンをかけていればと今は思います。
 ほかの班に比べて、うちの班は全員がやる気があって、自分の仕事をしっかりしていたと思います。
 競技会本番では優勝という結果を残すことができました。班員全員が自分の仕事をしっかりと
こなしてくれたおかげだと思っています。一年間ありがとうございました。

・坂田光毅(メカ・エレキ)

4年生、一番の醍醐味であった今回のMIRS開発は、自分を一回りも二回りも成長させてくれたものでした。
私は、メカ・エレキを担当し、主に配線やMIRS本体の各パーツ(超音波センサやダンパなど)を制作しました。
初め、「自分がこの班の為に何が出来るのだろう」と考えていましたが、実際始まってみると、
予想外に自分にもやるべき事が少なからずあり、やりがいを感じました。
また、マネージャーである伊庭くんがこの班を常に引っ張ってくれ、私達班員に的確な指示をしてくれました。 2班にとってマネージャーである伊庭くんの存在はとても大きいもので、彼なしでは2班のMIRSは成り立たなかったと思います。
そして、他の班員である、せっけん、澤谷、貴大、和真、やっさん、プロジェクトで頑張ってくれた郁哉の7人がいるおかげで、
私自身も一年間MIRSを頑張り続けることができ、良い思い出が作れたのだと感じています。
また、競技会の結果は、時間が過ぎていたものの、あともう少しというところでゴールできなかったので、
是非またこの班でもう一度チャレンジしたいと思っています。

・澤谷卓也(メカ・エレキ)

 私は、一年間を通して前半はエレキを担当し、後半はハード・エレキを担当した。
 前半は、MIRSを改造できなかった為、主にエレキの動作試験をした。その際に1つ超音波センサの調子が悪かったので、
エレキ班みんなで導通チェックや回路チェック、さらには大沼先生の提案でオシロスコープを使用してデバックをした。
デバックは、夏休みの競技会前日までずっと行い、結局はPICのプログラムの書き込み不良だと分かり、競技会に間に合った。
 後半は、MIRSの改造ができるようになり、主にハードの改造をした。MIRS1102班はハード・エレキで大きな改造はしなかったが、
MIRS1102には欠かせない備品(超音波センサ取り付け金具、4ピンコードなど)を作成した。
ハードができてからは、システム試験の手伝いをした。このとき、C言語が理解できたらなぁと少し思った。
 そして競技会本番、ゴールまであと1歩だったが、見事に「優勝」できた。
優勝できたのは、マネージャーの「伊庭くん」が人一番MIRSに時間をかけてくれたからだと思う。
本当に素晴らしいマネージャーだった。でも、他の班員もいなければMIRS1102はできなかった。
 MIRSというみんなで1つのものを作成したのは、とても良い経験になった。

・西村和真(メカ・エレキ・MCBプロジェクト)

MIRS1102では、エレキで前期は超音波センサボード、後期はモータ制御ボードの修正作業を主に行った。
当時、超音波センサボードに関する知識や仕組みに対する理解が十分ではなかった。そのためボードで問題が起こった際、
原因の究明および問題点に対する改善策をスムーズに打ち出すことができなかった。
しかし、同じ班員の協力や先生方のアドバイスにより問題点と結びつく原因を導くことができ、問題の解決にたどり着くことができた。
後期にはMTCBプロジェクトのメンバーの一人としてモータコントロールボードの改善に貢献した。
この際も、このボードに関する知識や仕組みの理解が不十分だったため、問題解決のプロセスを立てることは不可能だった
しかし、これも先に同様でMTCBプロジェクトのメンバーとの協力、青木先生のアドバイスによりMTCBに関する知識を得ることができた。
結果として、モータコントロールボードの改善を実現することができた。
MIRSの開発を通して得たことは、「チームワークの大切さ」・「責任の重さ」・「問題解決のプロセス」などです。
1点目の「チームワークの大切さ」は、何か事を成し遂げようとする際、1人ですべてをカバーするこは不可能に等しいということです。
2点目の「責任の重さ」は自分が任された仕事が完成しなければ、自分の他の班員に迷惑をかけチーム全体に様々なデメリットを及ぼすということです。
3点目の「問題解決のプロセス」とは原因の究明、問題に対する改善策の立案、改善策の実行、デバックというような過程のことです。
当たり前のようなことだと思いますが、これらの要素はそれも重要なことです。当たり前のことをそれ以上に徹底して実行することにより
新たな発見を見出すことができるのだと思います。
以上のようなMIRSの開発過程で学んだことや得られたことは将来、エンジニアとして活躍するための糧となったと感じました。

・望月郁哉(競技会プロジェクト)

競技会プロジェクトメンバーになりました。
競技会プロジェクトでは今年度のMIRSのホームページの担当になり、 ホームページの作業をすることが多かったです。
MIRSのホームページ作成では、ホームページを作ることが初めてながらも、 江上先生と見やすいホームページになるようにと工夫していきました。
また、12月に競技用タイマーのプログラムを作ることになったけれど、間に合わなかったことが悔しいです。
本番前日の準備では、もう少ししっかり予定を立てるべきだったと思いました。
競技場のパーツが少し足りなかったりなどいろいろな不具合が出たので、 個数・枚数などの確認をしっかり行うべきだったと反省しています。
最後に、競技会本番では優勝することができ、とても嬉しかったです。

・望月康孝(ソフト)

一年間を通して、ソフトとして貢献することは少なく、申し訳ないと思う。
反省するべき点としては、できる限り設計を完璧にすることだと感じた。
レビューの締切りを気にするあまり、とにかくレビューを通すことしか考えず、その結果、攻略プログラムなどの分担などでは、かなり苦労することがあった。
とにかく、関数が機能定義通りに動作すること、また、それが難しい場合はそれを許容する設計を行うべきであったと感じた。
システム開発モデルなど、それらを学ぶ理由を知ることが出来ただけでも十分な結果だと思います。
3回ほどあった競技会で2回優勝することが出来たのは非常に嬉しかったです。

・山本貴大(メカ・エレキ)

MIRSが始まった当初、私はソフト担当でした。
しかし、プログラムが苦手な私は何もできずに日々プログラムと睨めっこすることしかできませんでした。
ということで、早い段階でメカ担当に変更になりました。マネージャーと話し合って、私が一番力を発揮できる所は
メカであるという結論に至りました。
それからは日々楽しくMIRSに関われるようになりました。8人もメンバーがいれば人それぞれ得意なこと、やる気を出せる
ことが違っていることを実感しました。我々の班は適材適所がうまくいっていたと思います。
私は、サスペンションの設計、製作を主に担当しましました。去年の班のを参考に作ったのですが、我々の班のMIRSに合わせて
作るのがなかなか難しかったです。加工は、設計書をしっかり作ったのであまり苦労しませんでした。この経験で、穴あけや切断の
技術力が向上しました。また、マネージャーの注文に合わせて即座にパーツを作り出すことができ、役に立てたかなと思います。
マネージャーの注文には、絶対に無理と言わないようにしました。「この人のために何とかしたい」と思えるマネージャーでよかったと
思います。
MIRSをやったことはとてもいい経験になりました。自分に何ができて、何が足りないのか見えてきたと思います。5班に分かれて
製作を行っていきましたが、それぞれの班で分け隔てなく協力し合えていたことは心地よい空間だったと思います。個人的には4年目にして
初めて会話した人がいたりして、楽しかったです。
何にもできない人はいないと実感しました。何もやらない人にはなってはいけないと強く感じました。やる気があれば何でもできる!を学んだ1年間でした。



沼津工業高等専門学校 電子制御工学科