名称 MIRS1001 ダイレクションボード認識
番号 MIRS1001-SOFT-0005

最終更新日:2011.2.28

版数 更新日 作成 承認 改訂記事
A01 2010.10.4 川合 古橋 初版
A02 2011.2.28 川合 古橋 完成

  1. 目的
  2. 概要
  3. テンプレートマッチングについて
  4. テンプレートマッチングの弱点
  5. フローチャート
  6. 工夫点
  7. 改良点
  8. 結果
  9. まとめ


  1. 目的

  2. OpenCV標準パッケージにある関数を利用し、ダイレクションボードにある数字を認識する。

  3. 概要

  4. 数字認識にOpenCVのテンプレートマッチング(cvMatchTemplate)を利用する。
    各数字の画像を準備し、テンプレートマッチングをすることにより各情報を取得する。
    その各情報から、ダイレクションボードにある数字を認識する。

  5. テンプレートマッチングについて

  6. テンプレート画像と呼ばれる探索対象となるオブジェクト等の画像と, 探索領域となる画像を入力とする. テンプレート画像を少しずつずらしながら,探索領域内の対象領域との比較を行う.比較に用いられる相関関数には,計算量を考慮して,分散や平均を仮定した近似式が用いられることが多い.これにより、画像中の値の最大,最小値,およびその位置を調べることができる。

  7. テンプレートマッチングの弱点

  8. テンプレートマッチングの弱点は誤認識の確率が高いことである。例えば3と5や、3と9など、似ている数字を勘違いしやすいことである。誤認識の要因として、撮った画像の大きさや傾きがある。  また、テンプレートマッチングの計算は時間がかかる。演習室等のパソコンでの処理は気にならない程度だが、MIRSでは非常に長くなる。 *実際にプログラムの処理時間を計測したところ、MIRSでは約30倍もの時間がかかった。

  9. フローチャート

  10. 1.ダイレクションボードを撮る
    2.撮った画像を2値化処理
    3. 2値化処理した画像とテンプレート用画像の読み込み
    4.撮った画像を角度補正
    5.画像をリサイズ
    6.0から9までの数字画像をテンプレートマッチング
    7.相互相関係数が大きければ相互相関係数と座標を更新
    8.テンプレート後に、各パラメーターにより数字を認識する。



  • 工夫点

  • ○認識率を上げるために
     撮った画像を、-1.5度(358.5度)から1.5度まで角度を補正する。更に、撮った画像を30%から40%までリサイズする。これらの角度補正と画像サイズの補正をすることで、各数字の最も良い相互相関係数を得ることができる。
    ○処理を高速化するために
     プログラムに初期の段階ではループ内に無駄な処理があった。まずは無駄な処理を減らした。次に、switch文やif文を減らした。次にテンプレートマッチングの計算量を減らす。そのためにテンプレート用画像を小さくして、それに伴い撮った画像も小さくリサイズする。
     アルゴリズムの方面について。ダイレクションボードでは1から8までの数字は上にあるので画像を上の部分だけ切り取り、1から8だけテンプレートマッチング。下の部分は9のみをテンプレートマッチングする。そうすることで、計算量を減らすことができる。
    ○誤認識した場合
     左右で最も大きい相互相関係数が0.85以下なら、0にする。そうすることで誤認識率を下げる。誤認識した場合、どっちの数字が認識できなかったか調べて、返り値を変える。メインプログラムで、誤認識した返り値の場合、認識できなかったほうを向くプログラムに処理を渡す。

  • 改良点

  •  1班のMIRSでは正体補正後の撮った画像は、ダイレクションボードに近かったために大きくなってしまった。
    そのために、下の画像を認識させるプログラムを省略した。
    そのために、1班のMIRSは上の画像しか認識できなかった。

  • 結果

  •  MIRSが正面にいれば認識率はほぼ100%。数字部分が外に出なければ、認識率は90%を超えた。
    当たり前だが、撮った画像内に数字が入っていなければ認識率は0%。
    処理時間を気にせず、撮った画像に数字が入っていれば、認識率を100%近くまで高めることが可能だった。
    一つの数字だけなら認識率100%も可能かもしれない。

  • まとめ

  •  初期の段階で、誤認識率の高さと処理の遅さが問題だった。
    しかし、上記のような工夫をすることで解決した。
    認識率の高さと処理時間は比例するので、MIRSに適したパラメーターを設定するのが大変だった。

    沼津工業高等専門学校 電子制御工学科