MIRS2008技術調査報告書

MIRS0801-TECH-0001

 

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A01

2008/7/11

長澤

和泉

初版

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


目次

1.       LCDとは

2.       表示原理

3.       駆動方式

4.       LCDの種類

5.       VFDとは

6.       他の表示方との比較

7.       制御方法

8.    MIRS0801で使用するVFD


1.       LCDとは

 

液晶を利用した表示装置。2枚のガラス板の間に特殊な液体を封入し、電圧をかけることによって液晶分子の向きを変え、光の透過率を増減させることで像を表示する構造になっている。液晶自体は発光せず、明るいところでは反射光を、暗いところでは背後に仕込んだ蛍光燈(バックライト)の光を使って表示を行なう。大きく分けてSTN方式やDSTN方式などの単純マトリクス方式と、TFTなどのアクティブマトリクス方式があり、前者の方が安価だが性能は後者の方が高い。液晶ディスプレイはCRTディスプレイPDPなど他の表示装置に比べて薄くて軽いので、携帯用コンピュータや省スペースデスクトップパソコンによく使われている。

                                                                                                                                                                          

2.       表示原理

 

外光や、フロントライトバックライト等の光源により発せられた光をさえぎったり透過させたりすることによって表示をする。液晶に電圧を加えると液晶分子の向き(配向)が変化する。この配向変化を利用して光のシャッターを実現して表示する。ただし、液晶だけでは光をさえぎることができないため、液晶の前後に特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタを配置する。電卓時計の液晶は、あらかじめ「絵」の形に電極を配置して液晶に電圧を加える。さまざまな画像や映像を表示するものでは、格子状に配列した画素(ドットまたはピクセル)を用いる。

 

3.       駆動方式

LCDの駆動方式について以下に示す。

 

            単純マトリクス方式

 

液晶ディスプレイの駆動方式の一つ。X軸方向とY軸方向の2方向に導線が張り巡らされていて、XY2方向から電圧をかけると交点の液晶が駆動する方式。液晶X軸方向の導線とY軸方向の導線にはさまれるように各交点に並んでいる。構造が簡単なため、低コストで歩留まりもよい。しかし、駆動させたい液晶の周囲にある液晶にも電圧がわずかにかかってしまうため、コントラストはさほど高くない。また、反応速度も遅く、コンピュータディスプレイにはアクティブマトリクス型液晶ディスプレイの方が多い。単純マトリクス型液晶ではSTN方式とDSTN方式が代表的である。

 

 

            アクティブマトリクス方式

 

液晶ディスプレイの駆動方式の一つ。X軸方向とY軸方向の2方向に導線を張り巡らし、X,Y2方向から電圧をかけることで交点の液晶を駆動させる単純マトリクス型液晶の構造に加えて、各液晶に「アクティブ素子」を配置したもの。

 アクティブ素子はX軸方向の導線の電圧によってON/OFF状態が切り替わり、アクティブ素子がON状態にある時にY軸方向の導線にも電圧がかけられると交点にある目的の液晶が点灯する。これにより、目的の液晶のみを確実に動作させられる。

 単純マトリクス型液晶に比べて、残像が少なく、視野角も広く、コントラストが高く、反応速度が速いという特徴から、コンピュータディスプレイなどに広く使われている。欠点としては、構造の複雑さからコストが高くなり、歩留まりも上げにくいことがあげられる。 続きを読む

 なお、アクティブマトリクス型液晶ではTFT方式とMIM方式が代表的である。

4.       LCDの種類

 

            透過型液晶パネル

 

画面背面のバックライトを光源にして表示を行なうタイプの液晶。外光の反射で表示を行なう反射型液晶に比べて、彩度が高く、暗い室内で見やすいという特徴があるが、消費電力が大きく、明るい屋外では表示が暗くなるという欠点がある。

 

            反射型液晶パネル

外光の反射によって表示を行なうタイプの液晶。太陽光など自然の光のみを利用する製品のほかに、画面前面に光源を配置するフロントライト型や、画面横に光源を配置するサイドライト型の製品がある。

 反射型液晶パネルは、バックライトを使用する透過型液晶に比べて消費電力が少なく、明るい屋外で見やすいという特徴があるが、彩度が低く、暗いところでは表示できなくなるという欠点がある。

            半透過型液晶パネル

 反射型と透過型を融合した、暗いところではバックライトを、明るいところでは外光を利用するタイプの液晶。

 

5.       蛍光表示管(VFD)とは

1966年に伊勢電子工業(現在のノリタケ伊勢電子)の中村正博士らによって発明された日本オリジナルの技術である。 家電製品で数行の文字や数字が青白色などで光っているディスプレイのほとんどがLEDではなくて蛍光表示管である。

この装置はカソードフィラメント)とアノード蛍光体)と格子(グリッド)を真空状態におかれたガラスケース内に封入してあるため、広義の真空管に含まれ、主要部分には真空管同様にガラスが用いられている。カソードからの電子を蛍光体にあてて発光させることで、コンピュータ(主にマイクロコンピュータ)の表示装置として利用されている。これの類似技術にはブラウン管があるが、こちらは電子銃から照射されたビーム状の電子流を磁場で偏向させるなどの点で大きく構造が異なる。

カソードはアルカリ金属酸化物でコートされたタングステンワイヤで作られ、熱電子を発生(射出)する。この熱電子は微細な金属グリッドで制御および拡散される。

セグメント(代表例は7セグメントディスプレイ)表示で、VCRや時刻表示などの機器ごとに表示面を専用に設計された物や、近年ではドットマトリクス表示で、POS、専用機器などの表示装置に利用されている。

今回、MIRS0801では、このVFDを使用する。

 

6.       他の表示方式との比較

液晶ディスプレイLCD)と比較すると

蛍光面で発光するため、視野角に優れる。

自発光表示素子であるため、コントラスト比が高い。

低温雰囲気での動作特性が液晶では劣化するのに対し劣化がほとんど無い。

長時間同じ箇所を発光させると蛍光体が劣化し明度が落ちる、焼き付きが起きる。

応答速度が早いため、表示がちらつく。

発光ダイオードLED)表示装置と比較すると

ドットあたりの製造コストが安い。

ドットマトリクスの場合、LEDよりも、高密度化ができる。

広い波長のスペクトラムによる発光のために、見やすく、目にやさしい。

長時間同じ箇所を発光させると蛍光体が劣化し明度が落ちる、焼き付きが起きる。

 

7.       制御方法

PIC16F877を用いて制御を行う。VFDモジュールにはASCIIフォントを標準で搭載されており、これを用いてVFDに文字を表示する。VFDへの文字表示の出力は8bitで行うことができるが、その他にも、さまざまな要因で出力を使用するので、十分に入出力が確保されている、PIC16F877を用いる。

図 PIC16F877

 

8.       MIRS0801で使用するVFD

ノリタケ伊勢電子株式会社のSCK140X16J-7000-Aを用いる。

SCK140X16J-7000-Aはドットマトリクス型のVFDで、フォントやグラフィックを表示することができる。