沼津高専 電子制御工学科

MIRS0702回転直交座標系

MIRS0702- SOFT-0006

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改訂内容

A01

2007.2.18

紅林

平田

初版


目次

1.      はじめに

2.      回転直交座標系

3.      終わりに

 

1.はじめに

本ドキュメントは、回転直行座標系の説明および、回転直交座標上で探索した超音波情報からのポスト情報の選別方法の説明するためのものである。

 

また、回転直行座標系という名称は、勝手に付けたものである。

 

 

2.回転直交座標系

この座標系を作った理由は、MIRS0702のポスト周回時のポスト探索において、「周回ポストと距離があまり離れていないポスト」の発見が困難だったためである。

当初、MIRS0702の周回時のポスト探索は、MIRS0702の側面の超音波センサのみで行っていた。そのため、「周回ポストと距離があまり離れていないポスト」が存在する場合、超音波センサとポストとの距離が近すぎるため、エラー値となってしまい、ポストを認識できなかった。

このことから、探索用超音波センサをMIRS前面の超音波2つに切り替えた。こうすると、常に前方を探索しながら、ポストを周回することになる。これにより、「周回ポストと距離があまり離れていないポスト」が存在していても、そのポストにたどり着くまでに超音波センサで確認できるようになった。

ただし、獲得した超音波データは、現在の周回角度よりも先の角度の情報である。

 

ここで次のような座標系を考える(左図)。

周回ポストに直行座標xy’を与える(ここで「 ’ 」がつくのは、競技場の持つ固定直交座標xyと区別するためである)。周回ポストの中心とMIRSの中心を通る直線をx”、これに垂直な直線をy”とする。

MIRSの固有座標xy”はMIRSが周回するのと同時に移動する。周回角度をθとする。

この座標系を回転直交座標系という。

 

超音波センサのデータは、MIRSの固有座標xy”のy”軸上のデータである。ポスト等の物体が存在する場合は、そこまでの距離を得る(USS_dataとする)。

ここで得た情報は、実際は極座標xy’では角度φ、距離USS_data2である。この量はMIRSが周回中に得た量とは一致しない。

もちろん、回転直交座標系上で得た情報をそのまま使用するのでは、ポスト間移動はできない。(MIRS0702は周回ポストの極座標上(θ,USS_data)にポストがあると認識してしまっている。)

 

そこで、回転直交座標系の情報を、周回ポストの極座標系の情報に変換する必要がある。変換方法は次のとおりである。

360とは、周回ポスト中心とMIRS中心の距離である。

同時に余弦定理からUSS_data2x”のなす角(φ’とする)を算出し、現在のMIRSの周回角度θに加える。

この変換により、回転直交座標系の情報を周回ポストの極座標系の情報にすることができる。

 

実際に搭載したプログラムでは、φ’を60度として、変換前のデータで角度が60度以下のデータと、60度以上のデータを入れ替えて、周回ポストの極座標系上の角度情報とした。

これは、ポスト等の物体が存在しないときのUSS_dataの値の変動が激しすぎ、φ’の値の変動も激しくなったためである。また、60度という角度はUSS_dataの値をUSS_MAXとしたときに計算したφ’の値である。

 

7.終わりに

本ドキュメント内で説明した座標変換はselect_post2()で行っている。

select_post2()の後半のポスト識別部分は、MIRS0602のポスト探索プログラム仕様書(MIRS0602-SOFT-0002)を参考にした。

 

 


関連文書

ポスト探索プログラム仕様書(MIRS0602-SOFT-0002