沼津高専 電子制御工学科

MIRS0702 開発完了報告書

MIRS0702- DSGN-0004

改訂記録

版数

作成日

作成者

承認

改訂内容

A01

2007.2.15

紅林

平田

初版


目次

1.      開発過程分析

2.      開発工数分析

3.      現システムの問題点

4.      総括

 

1.開発過程分析

予定していた開発スケジュールと実際の開発スケジュールを比較する。

開発予定

 

実際

 

メカはほぼ計画通りに作業を行えた。

エレキに関しては、製造等はだいたい計画通りだったが、デバッグに時間がかかりその分長引いてしまった。特に回転盤のステッピングモータ制御において、知識不足もあり安定した動作をするまでにかなりの時間を要してしまった点が非常に悔やまれる。

ソフトは関数自体の作成は計画通り進んだが、統合・調節はエレキの問題点解決の分、先送りになり、最後の方に偏ってしまった。また、新たな関数の導入など、作業量が増え、後半は平行に仕事をしなければならなかった。

 

2.開発工数分析

作業に当てた時間を個人ごとに集計すると次のようになった。集計した時間は競技会当日までのものである。

 

紅林

小林

齋藤

角田

平田

藤田

村山

八木

吉川

合計

作業時間  h

505.25

248.7

365.5

421

196.5

430.5

182.26

250

254.7

2854.41

 

 

3.現システムの問題点

現在発覚しているシステムの問題点を以下に示す。

メカトロニクス

・回転盤用のバッテリーの固定が不十分。

エレクトロニクス

・回転盤制御回路の導通で不十分なところがあり、それが原因となり誤動作を起こすときがある。

・超音波センサが突然9999を返し、動作が不安定なときがある。

FPGAに繋ぐバスのケーブルの接続部のツメが折れており、知らないうちに抜けていて誤動作の原因となるときがある。

ソフトウェア

・ポスト配置によるが、超音波の干渉により、架空ポストを発見する場合がある。

・競技場外の物をポストと誤って認識してしまうことがある。

 

4.総括

マネージャー(紅林)

自主的に仕事を見つけて動いてくれる人が少なく、動いてない人に仕事を与える、動かない人のために仕事を見つけるのが大変だった。ただ、各部門でしっかり仕事をしてくれる人がいたので本当に助かった。

最後のほうは泊り込みでがんばってくれた人も多く、楽しく開発ができたと思う。

頼りないマネージャーだったけど、最後まで一緒にがんばってくれた班員のみんなには感謝している。1年間ありがとう!お疲れ様でした!

メカトロニクス(角田)

メカの大きな仕事は回転盤を製作するであった。回転盤はほとんど開発計画当時に作った設計書通りに作ることができた。当初懸念していたギアの空回りや、モータのトルク不足の問題は全くなく、回転盤のできは完璧と言っていいほどであった。

しかし、ステッピングモータの納入が遅かったこともあり、回転盤の製作にかなり時間がかかってしまった。それ以上にMIRSを組み上げていざ統合試験と思ったら、超音波センサが動かなかったり、ロータリーエンコーダが動かなかったりと、MIRSが標準動作をするのにだいぶ時間がかかってしまった。MIRSのパラメータ導出は1月の後半まで延びてしまい、それがソフトの開発の障害となってしまった。もっと早い段階から回転盤の製作に取り掛かっていればよかったと反省している。

 

エレクトロニクス(藤田)

今回MIRS0702が、最も早くプレ競技をクリアしたにも関わらず本番で思ったような結果が得られなかった大きな要因は、我々エレキにあると思っている。序盤FPGAの改造に必要以上の時間をかけてしまい、回転盤制御回路に取り掛かるのが遅れた。さらに、なかなか思ったように回ってくれず回路やPICプログラムの改良に多くの時間を費やすことになってしまった。回転盤が一応の完成を見た後も、度々回路の調子が悪くなり、試験中のソフトに迷惑をかけてしまった。この開発の遅れが、ソフトの試験・デバッグの時間を大幅に削ることになったことはもはや否定することができず、強く反省している。後悔は常に後から来るもので、もう少し早く取り掛かっていれば・・・という悔しさが強く残る結果だった。

しかし、回転盤が無事回ったときの嬉しさや達成感は忘れることができないだろうし、回路設計に関するノウハウも少しは身についたと思う。そして、素晴らしい回転盤を作ってくれたメカと、回路の頼りなさにも文句を少ししか言わず開発に打ち込んでくれたソフトにはとても感謝している。

最後の1週間ぐらいエレキの手が空いたときに、LEDの回路を新たに開発して観客の目を楽しませることができてよかったと感じている。

最後に一言、もっと早くオシロスコープを使うべきだった。オシロスコープは、実験などで苦手意識を持っていたため避けていたが、あれほど役にたつものだとは知らなかった・・・。

 

ソフトウェア(紅林)

MIRS0702の組み立てが後半まで延びてしまったので、プレ競技まであと45日というところまで来てようやくソフト全体の実装・試験ができた。メカとエレキががんばっている間に、各関数の再確認やプログラムの流れの確認など、見直しの時間が多く取れたので、プレ競技用の動作プログラムは大して苦労もせずに調節できた。

しかし、全体を通して初めて気がつく誤動作などが多く見つかったので、それを防ぐプログラムの作成とデバッグ、またその関数を組む込んだ場合のプログラムの流れの再構成などに多くの時間を費やしてしまった。そのため競技1回目用のプログラムの完成が本番前日になってしまった。また、追加プログラムのことばかりに気が向いてしまい、ほかに起こりうる誤動作の検討や対策を忘れていた。検討していれば、本番でもう少しいいところまでいけたかもしれない。メカやエレキが作業を行っているときにもっと検討するべきだった、と競技会が終わった後に後悔した。

ただ、自分で一から組み立てた関数が正常に機能して、MIRSを動かした時の感動は忘れられない。開発におけるソフトの立ち位置も大体わかったので、以後の開発にはそれを生かせるだろうと思っている。

最終的に実装したプログラムはこちら(MIRS0702.zip)。

 

 


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