沼津高専 電子制御工学科

電源ボード設計方針


MIRS0605-ELEC-0701


改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2007.2.2 善養寺 星乃 初版

 

■電源切り替え機能

起動中にバッテリーと電源装置との切り替えができれば非常に便利である。テスト走行後にわざわざ再起動するのは非常に非効率であり、プログラマの仕事の阻害となる。そこで、起動中であっても電源が切り替えられるように回路を考える。

切り替え回路は、「オーバーラップ型」と呼ばれる仕組みを利用する。一時的に2つの電源が並列に接続されてしまい、 低電圧電源の電圧が低いとバッテリーの電流が逆流してしまい電源装置にダメージを与える可能性がある。低電圧電源からバッテリーへ電流が移動することには大きな問題は無いと考える。(バッテリーに対してバッテリー電圧以上の電圧をかけると、簡易的な充電動作になる。当然長時間逆流すると問題が起こるだろうが、電圧差があまりなく数秒なら問題ないだろう。逆流を防ぐためにダイオードを挿入することも考えたが、電圧降下がもったいないので非採用。) バッテリー電圧(実質8.5V程度)より少し高めの9〜10V程度に電源電圧を設定しておく必要があるだろう。使用するレギュレータは5V出力時の入力最大電圧は14V程度である。

■リレーのコイルの電流制限

標準電源の回路図を見ると分かるが、リレーコイルは電源に直接接続されている。これにより無駄に大きな電流がリレーのコイルに流れてしまう。実際に動作中にリレーに触れてみれば分かるが、発熱しているのが分かる。また、回路のコイル手前に電流計を挟むと、1A程度流れているようだ。しっかりと抵抗をはさみ、リレーのデータシートにある電流に制限することで、今まで30分程度しか持たなかったバッテリー動作時間も向上するはずである。また、レギュレータの無駄な発熱も抑えられるかもしれない。

 

■電圧監視機能

折角電源の切り替え機能があるので、電圧をLCDに表示すると便利である。また、レギュレータ出力電圧をマイコンに監視させ、許容電圧以上、以下の電圧出力になった場合直ぐに電源を落とすようにする。これには回路を簡単にするためにPICのADコンバータを利用する。

 

■オンボードヒューズ

従来はヒューズが使われていないか、またはケーブル中に設置されている。この場合ヒューズホルダを用いるのでヒューズが切れているかが非常に分かりづらく、MIRSが動作しないときの問題の切り分けに時間がかかってしまう。そこで、基板上にヒューズを設置し、いつでもヒューズのガラス内が見れるようにする。また、ヒューズホルダでよく起こるの接触不良も改善される。

 

■電源がショート状態になったときの対処

MIRS側の回路がショートし電源が短絡状態になった場合はヒューズが溶断するが、ヒューズが溶断するにはある程度の時間がかかること(数秒かかるようである)、ヒューズが無駄に消費されるのを防ぐことを目的に、ショート状態になった場合に電源が入らないようにし、また動作中にショートした場合は直ぐにリレーを落とすようにしたい。

・動作中にショートした場合

出力部でショート状態になり電流が流れるため、リレーに流れる電流が不足し、リレーが落ちるようにする。

・ショート状態で電源を入れようとした場合

PICの入力端子に常に論理が真になるようにしておく。電源が入るときにPICがその論理を読み、真であれば電源が入るようにし、偽であれば電源が入らないようにする。書としている場合はPICに入力される電流が不足しプルダウン抵抗により偽になるようにしておけば良い。

 

■モータ電源の自動化

標準電源では、モータの電源は別スイッチになっている。しかし分ける必要もないので、主電源に連動させる。

 

■電源スイッチのフェイルセーフ化

電源スイッチに誤って触れてしまった場合に作業中に電源が落ちてしまう。プログラマが作業中にメカニクスが作業することもあるので大変危険である。

そこで、一定時間ボタンを押していないと電源のON・OFFができるようにする。