- サウンドカードを用いる
- ISAバスのサウンドカードの入手が困難かと思われたが、オークションや通信販売などで1000〜5000円程度で入手可能であった。
- 完成品を利用するため、回路の開発時間を短縮できる。
- 他のパソコンで作成した音声データも再生することができる。もちろんWindows機で編集した音声も再生させることができるので、音声データの入手にはあまり困らなさそうである。
- DOMの空き容量が約7Ｍバイト（標準MIRS）しかないため、あまり大量のデータを保存しておくことはできない。ただし、音声データの数を減らしたりデータを圧縮することによっていくらか対応が可能だと思われる。
- 音声を再生することによって他のプログラムの処理を圧迫してしまう恐れがある。ただし、音声データのサンプリング周波数を低くすれば音質は落ちるが処理が軽くなると思われる。
- サウンドカードから得られる出力はライン出力のみなので、スピーカを駆動するためには増幅回路が必要になる。
- 録音再生ICを用いる
- 入手できるのはICのみなので、周辺回路は自分で製作することになる。ただし、基本回路はデータシートに記載されているのでそれを参考にすることはできる。
- サンプリング周波数が最高でも8MHzと音質が悪い。
- ICにデータを書き込むには音声を録音させるしかないため、データの編集や加工に手間がかかる。
- ICの制御方式はパラレルタイプとシリアルタイプがあり、パラレルタイプのICでは録音可能時間が1分なのに対しシリアルタイプでは同じ音質なら8分まで可能となっている。録音可能時間は長いほうがいいが、シリアル通信の場合制御信号のタイミングを正確に作ることに苦労しそうである。ただし、パラレルタイプのICを多数使用することによって制御の難易度はそのままで録音時間を長くすることができるかもしれない。
- ICを駆動、制御するために専用の回路が必要となり、ドーターボードやFPGA回路の変更も考えられるので回路の開発への負担が大きくなると予想される。
- ICの中にスピーカの駆動回路を内蔵しているので、スピーカを1個駆動する程度なら増幅回路が必要ない。しかしMIRS0602では2個のスピーカを搭載することを予定しているので、結局増幅回路は必要になると思われる。
- 音声の再生に関してはICが処理をしてくれるので、CPUへの負荷が軽い。
- 音声再生モジュールを用いる
- すでに回路が完成しているので、モジュールとの通信を行う回路を作成するだけでよく、回路開発の負担を軽くすることができる。
- 通信方式はシリアル通信（RS232C）なので、レベル変換ICを通せばCPUボードとの直結が可能である。このためドーターボードやFPGA回路の変更を行う必要がなくなる。ただし、現段階ではC言語によるシリアル通信についてよくわかっていないので未知の部分もある。
- SDカードが別途必要になる。また、SDカードにデータを書き込むには専用のライタが必要になる。
- モジュールに録音機能はないため、他のパソコンで音声データを編集してSDカードに書き込む必要がある。
- Windows機と同じフォーマットに対応しており、mp3などの圧縮形式にも対応している。
- 音質が良い。
- 制御信号さえ送ってしまえば後はモジュールが処理をしてくれるので、CPUへの負荷が軽い。
- 得られる出力はライン出力なので、スピーカを駆動するには増幅回路が必要になる。
- 高価である。しかし、MIRS0602の仕様は標準機と大差ないので音声再生に多くの費用を当てても問題ないと思われる。
ISAバス方式のサウンドカードを増設することにより、DOM（Disk On Module）内に保存した音声データを再生する。
仕様
| 外観 | 機種によって異なる。写真は代表的なサウンドカードの1つ、Sound Blaster 16（Creative Technology社） |
| 値段 | 現在ISAバスのサウンドカードの新品を入手することは難しいが、オークションや中古品ならば数百円〜数千円程度で手に入れることができる。 |
| 基本機能 | 基本的には音声の入出力のみだが、機種によってはジョイパッドやジョイスティックを接続するためのゲームポートなどが実装されている。 |
| 必要な周辺機器 | OSを動かすことができる環境 データを保存できるドライブ デバイスドライバ スピーカを駆動する場合は増幅回路が必要 |
| 制御方式 | ISAバスを通してOSから制御 |
| 詳細 | 機種によって異なる |
| その他 | - |
検討
録音と再生を行うことができる専用のICをPICなどで制御し、音声を再生する。
仕様
| 正式名称 | 音声録音再生LSI |
| 外観 | 録音時間ごとに型番が異なるが、概観はほとんど一緒である。写真は最大1分録音可能なISD2560P |
| 値段 | 1,200円〜2,700円 |
| 基本機能 | 音声の録音、再生 |
| 必要な周辺機器 | 型番にもよるが、ICを動作させるための基本回路とICを制御するための回路（PICなど）、電源が必要。 スピーカを多数駆動する場合は増幅回路が必要 |
| 制御方式 | ISD14及びISD25シリーズ：アドレスをバイナリ形式で指定し、特定のピンをHighまたはLowにして制御 ISD5008P：クロック同期シリアル通信(SPI) ISD5216P：I2Cインターフェイス(400KHz) |
| 詳細 | ISD14シリーズ：データシート ISD25シリーズ：データシート ISD5008P：データシート ISD5216P：データシート |
| その他 | サンプリング周波数は最大8MHz |
検討
すでに完成している音声再生モジュールを用いる。
仕様
| 正式名称 | SDカード/MMC完全対応 高機能MP3再生ユニット with SDカードアクセス |
| 外観 |  |
| 値段 | 15,590円 |
| 基本機能 | SDカード内に保存された音声データの再生 ファイル、ディレクトリの作成、編集 再生スピード、音量の変更など |
| 必要な周辺機器 | 電源（5V安定化） SDカード SDカードライタ スピーカを駆動する場合は増幅回路が必要 |
| 制御方式 | 非同期式シリアル通信（TTLレベル）によりコマンドを送信して制御 |
| 詳細 | データシート |
| その他 | 音声再生に関する付加機能が多く、簡単なCDプレイヤーと同程度の機能を持つ。 音声データを直接取り込むことはできないので、音声データを作成しSDカードへ書き込める環境が必要になる |
検討