CMCボード製造仕様書

MIRS0601-ELEC-0003

 

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A01

 

伊井

平口

初版

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


目的

       本仕様書は、MIRS0601で使用するコンベアを制御するためのCMCボード(Conveyer Motor Control board)の製造過程を記述する。

このボードについて

本ボードは、ポスト番号の判別に用いるコンベアに対し、電源の供給および正転・逆転・停止の制御を行うためのボードである。仕様として次のように考えた。

        本ボードの電源として単3電池4本を使用する。

        FPGAボードと接続するためのコネクタを5ピンのものとする。動作上超音波センサを3つしか使用しないため、残り1つの超音波センサを取り外し、このポートに本ボードを接続する。(正転・逆転の制御のためにはFPGA回路も変更しなくてはならない。それについてはFPGA製造仕様書を参照する。)

        回転制御用ICとしてTA7257Pを使用する。

 

TA7257Pについて

このICの内部構成と基本回路を以下に示す。見てわかるように、4つのトランジスタが組まれることによってモータに流れる電流の向きを反転させられる構造になっている(このようなトランジスタの組み方をH-ブリッジと呼ぶ。ミルス本体の駆動系にも使われている方式である)。

 

 

 

 

 

 

 

 


制御入力信号とはFPGAからの論理信号である。今回はほぼ右図のとおりの回路を組んで作成した。抵抗とコンデンサの値はモーターの回転スピードを見て適当に選んだ。なお、Vcからグランドに接続されている電解コンデンサはなくても問題ないので、本ボードには取り付けていない。

 

回路構成

           今回自分たちが実際に切り出した回路は下図のとおりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           はじめはICを使わずトランジスタ4つを使って作ろうとしていたが、その部分がすべて1つのICで代用されたことで回路自体は非常に単純なものにすることができた。

 

反省点・改善点または注意事項

        まず一番反省したいことは、完成までに時間がかかりすぎてしまったことである。トランジスタで作る回路はなかなかうまいようにいかず何回も基盤を削り出したが、単純にそういうICがあるのでは?と考えるのが遅すぎたと思う。ICを見つけてからは比較的早く完成までたどり着いたが、ソフト担当が動作を確認したりプログラムを直したりすることに時間を費やすには、本体の仕様を早く実現してあげるべきであった。

        今回はこれでも動くので結局改善しなかったが、本来はフォトカプラを用いてモータ側とFPGA側のグランドを完全に切り離したほうが確実である。というのも、モータによってグランドレベルが押し上げられ、それがFPGAの方にまで影響を与えてしまう可能性も否定できないためである。

        TA7257Pは逆起電力に非常に弱い。であるので本ボードを動作させるとき、正転をさせた後には必ず一度ストップをさせてから逆転しなければいけない。ストップをいれずに回転を逆にすると逆起電力によりICは一発で壊れる(らしい)。