ドキュメント情報

名称

技術調査報告書

番号

MIRS0501-0501-0001

 

版 数

最終更新日

作 成

承 認

改 訂 記 事

A01

2005/07/15

八木・杉山

伊沢

初版

 


---目次--- 

 

1.       目的

2.       ポスト獲得動作の検討

3.       パーツに関する技術調査

a.       標準機センサ系

b.       電子コンパス

c.       光センサ

d.       電子ジャイロ

e.       光学式マウス


目的

MIRSがより正確な動きをするために、MIRSに搭載されているセンサや標準機で用いていなかったセンサやアクチュエータの性能を調査し、実際にそのセンサやアクチュエータを使ってのシステム実現が可能なのかを考察する。

 


ポスト獲得動作の検討

以下の2つの動作案があがり、検討した。

1.       周回案

競技開始後競技エリアを示している白線のところまで後退し、以後その白線に沿って競技エリアを周回しながらポストの位置を確認、取得する。

2.       中央案

競技開始後競技エリアの中央に向かい、その場で旋回してポストの位置関係を取得する。その後ポストを取得しに行きまた中央に戻った後に別のポストを確認しに行くという動作試験用プログラムをベースにしたような動作である。

 

各案の長所、短所を以下に示す。

・周回案について

長所

        白線センサに沿って移動するので、ポストの位置に関する誤差が少ない

        自機から見てポストが重複していても、反対側から見れば重複したポストも検知することができる
 (競技エリアの距離と前後から検知した距離の和が合わなければ、その位置に二つのポストが存在していることになる)

        ポストの番号を記憶する場合に、何番目に何番のポストがあったかを記憶すればポストの位置(座標)覚えなくても済む

        単調な動きのためプログラムを短くすることができる

短所

        競技エリアを出てしまう危険がある

        周回するため移動量が大きくなり競技が時間制限で中断されてしまう可能性がある

        ポスト確認後白線まで戻ってくるときに、白線に対し垂直に戻らなければポストを見落としたり、また同じポストを発見してしまう危険性がある

・中央案について

長所

        プログラムの原型が完成している

        短時間での取得が可能

短所

        誤差が蓄積されていき、正しく取得できない可能性がある

        自機からみて手前のポストの後ろ側にもポストがある場合探知できない

        旋回動作が多いため自機の現在方向が誤差で正しく取得できない可能性がある

 


パーツに関する技術調査

標準機センサ系

超音波センサ

 


電子コンパス 

 

地磁気の強さを適当な磁気センサを用いて測定し、その出力信号を処理し、方位を算出するもの。
地磁気の磁場強度を測定するにはFGセンサ(フラックスゲート)が用いられる。現在現在は携帯電話にも用いられていて、その大きさは3mm四方で厚さ1mmほどにもなってきている。

 

電子コンパスのMIRS使用について

利点
基準となる方位を地磁場に合わせて定めることができ、ロータリーエンコーダに比べ正確な方位を取ることができる。競技場の中心からポストを獲得していく方法では大きな役割を担う。
・毎回の角度補正を地磁場に対して行うことで、誤差が蓄積されない。
・動作制御が不能になった場合、動作をリセットして電子コンパスから初期の方向を定めることができる

欠点

外乱が大きいこと(モーターから発生する磁気や建物の鉄筋による地磁気の乱れの影響を受ける)


光センサ

 

光センサのMIRS使用について

利点

        ポストの番号を、ポストを周回することなく識別することができる

欠点

・ 外部の明るさの状態変化にすぐに順次対応することができない。またポストが汚れていた場合に誤動作を起こす場合がある


電子ジャイロ

 

ジャイロスコープ (gyroscope) とは、物体に働く角速度を検出する計測器。ジャイロ (gyro) と略されることもある。ロケットや航空機の姿勢制御のために使用される。最近ではカーナビゲーションシステムや自動運転システム、ロボット、無人偵察機などでも用いられている。ギリシャ料理のギロと同じ語源。

角速度を検出する方法としては力学的な慣性を利用する方法として、回転慣性とプリセッション(回転型) コリオリの力(振動型、ガス型) 光学的な干渉を利用する方法としてサニャック効果(光学式) がある。

 

ジャイロのMIRS使用について

利点

角速度を求めその値をフィードバックさせることにより安定した回転運動を実現することができる。

欠点

・高性能であるがためにシステムが複雑で、MIRSに取り入れること自体が難しい。


光学式マウス

 

光学式マウスは、マウスの底部にあるLEDから光を発光し、それを受光器で読み取るという仕組みになっています。縦横の線が入った専用のマウスパッドを使用し、その上をマウスが移動したときに、光が通過する線の数を数えることによって、移動方向や移動量、移動速度を検出します。
 光学式マウスは、稼動部分がないため経年劣化に強いという特徴がありますが、一般的にメカニカルマウスよりも高価です。また、専用のマウスパッドを使用しなければならないという制約もあります。
 ただし、最近では、専用のマウスパッドを必要としないものも登場しています。光センサーにより、机の表面を画像としてとらえ、画像処理をすることによって、移動方向や移動量などを検出するものも発売されています。

 

光学式マウスのMIRS使用について
利点

・ロータリーエンコーダのように移動によるタイヤの空回りやすべりなどによる座標のずれがなく現在のMIRSの位置を正確に示すことができる。

・ソフトウェアではロータリーエンコーダではその返り値をいちいちx軸y軸の座標に変換しないといけないが、光学式マウスならその返り値はx軸y軸の座標値なので値の変換が必要なくなる

欠点

搭載するスペースの問題