沼津高専 電子制御工学科 |
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改訂記録 |
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版数 |
作成日 |
作成者 |
承認 |
改訂内容 |
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A01 |
2004.06.22 |
飯田 |
前田 |
初版 |
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担当者:飯田、内田
・光学式マウス
最近の最近の光学式マウスは、デジタルカメラで使われているような「イメージセンサー」と呼ばれる素子を利用して、マウスの移動量を検出します。この底面に配置されたイメージセンサーを用いて底面から見える画像を「撮影」し続けているのです。マウスが静止している場合には、何度撮影しても同じ画像が撮影されますが、マウスが少しでも動けば、撮影される画像は直前に撮影したものとは、少しだけ「ずれた」画像となるはずです。今撮影した画像と、直前に撮影した画像とを比較して、それらに含まれる「同一部分」がどれくらいずれたのかを検出してやれば、どの程度マウスが移動したかが分かるわけです。
この方法で重要なのは、前回撮影した画像と今回撮影した画像との間に、必ず共通の部分が含まれなければならないという点です。二つの画像にまったく共通点がなければ、どの程度移動したかを検出できないわけですから、マウスの移動量も分かりません。光学式マウスを高速に動かすと、カーソルが動かないことがあるのはこのためです。これを解消するには、撮影する間隔をできるだけ短くすることが必要です
しかし、撮影間隔を短くする際に問題となるのが、画像処理能力です。先に示したように、マウスの動きを検出するには二つの画像を比較して共通点を見付け出すという処理が必要であり、仮に高速で撮影できたとしても、この処理を行なえなければ話になりません。そこでこの種のマウスでは、DSP(Digital Signal Processor)と呼ばれる専用のプロセッサを搭載しています
誤差……最大で約0.9%(4cm四方の線を1周移動[16cm]させて、1m少々の誤差が発生した)
メリット
・駆動系と直結しているわけでないので、それらによる影響がない。
・誤差をその他のセンサで補正すれば、かなり正確な数値が検出できる。
デメリット
・あまり使用されないシステムなので、どのようなトラブルが発生するか予測が難しい。
・移動速度が速いと、センサが感知しない可能性がある。
・ロータリエンコーダ
ロータリーエンコーダとは
ロータリーエンコーダにはインクリメンタル方式と、アブソリュート方式の2種類があります。
■インクリメンタル方式
軸が一定量回転するごとにパルスを出力します。1回転でいくつのパルスを出力するかを分解能と呼び、[パルス数/回転]という単位で表します。安いものは10〜20パルス、高価なものは5000パルス程度まで出力するものがあります。軸が回転するたびにパルスが出るので、軸が何度動いたか、何回転廻ったかといった情報は、パルスの数を数えることによって得ることができます。しかし、ただ単にパルスが出るだけでは、例えば時計周りに廻ったのか、反時計回りに廻ったのかの判断が付きません。そこで、以下に示すような2相のパルスを出力するように作られています。
ロータリーエンコーダからは、回転に合わせて上図のようなA相とB相のパルスが出力されます。ふたつのパルスはタイミング(位相)がずれて出力されるように作られており、時計廻りと反時計廻りとで、その出力タイミングを逆の関係にしています。
時計廻りで軸が回転している場合、先にA相のパルスが出力され、その途中でB相のパルスが出力されます。逆に反時計廻りで回転している場合、先にB相のパルスが出力され、その途中でA相のパルスが出力されます。つまり、これらの関係を用いて、軸は現在どちら方向にどれだけ回転しているのか、といった情報を得ることができるのです。
パルスの出力方法については、大体以下の種類があります。
【1.オープンコレクタ出力】
トランジスタのコレクタ端子がそのまま外部に出力されます。ちょうどスイッチ接点と同じように扱うことができます。回転角度の検出方法としては、フォトインタラプタを使った光学式が多いようです。
【2.TTL互換電圧出力】
5Vの電圧でパルスを出力します。こちらもフォトインタラプタを使った光学式が多いようです。光学式は非常に高分解能なものがありますが、その分高価で、ちょっと大きめになります。
【3.無電圧接点出力】
摺動(しゅうどう)式で、機械的な接点が回転によってON/OFFすることでA相とB相を出力します。非常に安価ですが、分解能は限られます。今回の実験ではこのタイプを使ってみます。
インクリメンタル方式は、その名前の通りマイコン側でパルスの数を数えるだけで回転数や回転角度などを検出することができますが、回転軸の絶対的な位置を検出することはできません。回転角度を正確に検出するためには、回転軸を機械的に基準位置に合わせ、そこから数え始めるというイニシャル処理が必要になります。
■アブソリュート方式
それに対してアブソリュート方式では、回転軸の絶対的な位置を検出することが可能です。回転軸の現在位置にあわせて、グレイコードと呼ばれる何ビットかの絶対的な2進データを出力します。従って、機械的な位置合わせでカウントリセットするといったイニシャル処理は必要ありません。分解能は、高価なものであれば2000[分割/回転]程度までとれるものもあります。
インクリメンタル方式とアブソリュート方式のどちらが良いかについては、用途と精度と値段によって自由に決めればよいでしょう。個人的な感覚では、普通ロータリーエンコーダといえばインクリメンタル方式のほうが一般的である気がします。
誤差……ロータリエンコーダの誤差を測定する実用的なシステムがないため、誤差がよく分からないまま使われているのが現状である。
メリット
機構が光学式マウスより単純なので、トラブルが予測しやすい。
デメリット
・駆動系に問題があると検出される数値にも問題が発生する。
・タイヤが軟らかいので、回転する際に遠心力でタイヤが変形し、正確な数値が検出できない。
・チャタリングが誤差となって生じる。
結論
グループの作成方針に因る。光学式マウスを用いる場合、一定以上の速度では精度が急激に落ちるが低速では安定した精度が
得られる。
ロータリエンコーダのばあいは速度が多少速くても精度はそれほど落ちないが、機構的な問題により、精度が落ちる可能性が高い。
一長一短なので実際に試験してみないことには分からないのが現状であるが、考えられる外乱の種類で考えると光学式マウスのほうが外乱が少ないのではないかと思われる。
参考サイト
「小型自走機械群による超精密生産機械システム」
「小型・低トルク型ロータリエンコーダ仕様一覧」
「1302 マウスの動作原理」