沼津高専 電子制御工学科
MIRS2002エレクトロニクス詳細設計書
作成規定
MIRS02SF-CURR-0011
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2002.4.22 大原 大原 初版(mirs2000版(長澤作成)を改訂)

本ドキュメントについて

本ドキュメントは、MIRS2002エレクトロニクス部詳細設計書の作成方法について規定するものである。詳細設計とは、以下に述べる作業を言い、詳細設計書に文書化することである。

「 基本設計仕様書をもとにエレクトロニクス、メカニクス、ソフトウェアごとに作成する。各部の中をさらにブロック分割し、各ブロックが独立に製造仕様書が作成できるように仕様を規定する。エレクトロニクス部門では回路分割、回路ごとの機能/性能、基板構成、基板間のインタフェースを明確にし、作成すべき製造仕様書の構成と内容を決定する。」

この文書は次の設計(製造仕様書の作成)の際に要求される事項が記される。したがって、この文書には、分割された各回路基板が、各々独立して設計作業を進めるために必要なすべての事項が記されていなければならない。

以下例に沿って説明する。なお、この文書においては、”作成例”を標準字体で、その”解説”をイタリック字体で記している。

目次

  1. はじめに
  2. 概要
  3. 構成
    1. 概略ブロック図
    2. 電源系統図
  4. 機能性能
    1. 標準MIRS基板
    2. 各チームで作成する基板
  5. インターフェース
    1. ISAバス
    2. IOボード−LCD
    3. IOボード−ドータボード
    4. ドータボード−ロータリエンコーダ
    5. ドータボード−タッチセンサ
    6. ドータボード−超音波センサ
    7. ドータボード−赤外線センサ
    8. ドータボード−Motor Power回路
    9. ドータボード−Power Distributor
    10. Power Distributor−CPUボード
    11. Power Distributor−Motor Power回路
    12. Power Distributor−電池
    13. Motor Power回路−Motor
  6. 各部の詳細
    1. 標準MIRS基板
    2. IOボード
      1. FPGA回路ブロック図
      2. 各ブロックの機能
      3. タイミングチャート
      4. ブロック間インターフェース仕様
      5. 外部出力ピンの位置および機能
    3. 各チームが作成する基板
      1. 外形
      2. 詳細ブロック図
      3. タイミングチャート
      4. 主用部品
      5. 製造仕様書ツリー
  7. 消費電力
  8. 参考資料

1.はじめに

本ドキュメントは、MIRSXXXXエレクトロニクス部の各回路基板の製造仕様書の作成に必要な事項を述べる。

2.概要

MIRSXXXXのエレクトロニクス部は、主としてAT互換シングルボードコンピュータとISAバスに接続されるIOボードおよびセンサ回路からなり、IO制御のための回路はそのほとんどがIOボード上のFPGAで実現される。

3.構成

  1. 概略ブロック図
    図1に概略ブロック図を示す。
    図は一つの回路基板を一つのブロックとして作成し、各回路基板間のインターフェースを漏れなく(電源関係を除く)記載する。インターフェースは実際に接続するケーブル単位に記載し、各ブロック内にコネクタ番号を必ず記載する。また、図は変更を考慮してオリジナルのファイル形式のものを添付すること。また、FPGA内部で実現される回路についてもブロック図を作成する。

    図1.概略ブロック図 (Word Meta File

    図2.FPGA内部回路ブロック図 (Word Meta File

  2. 電源系統図
    図3に電源系統図を示す。
    図は一つの回路基板を一つのブロックとして作成し、電源供給のケーブルを漏れなく記載する。各ブロック内には端子番号あるいはコネクタ番号を必ず記載する。また、図は変更を考慮してオリジナルのファイル形式のものを添付すること。

    図3.電源系統図 (Word Meta File

4.機能性能

ここには、各ブロックの機能性能を記す。標準MIRSを流用する回路基板は参照のみでよい。各チームが独自に作成する基板は下記 Power Distributorのように記載する。

  1. 標準MIRS基板
    標準MIRS基板の仕様についてはMIRSデータベース(DBMD)を参照のこと。
  2. IOボード
    IOボードはISAバスを経由してCPUからセンサおよび駆動回路の制御を行う機能を具備する。

5.インターフェース

ここには、各ブロック(基板)間のインターフェースについて記載する。具体的にはコネクタ形状、コネクタ番号、ピン番号の呼び方、ピン番号と信号の対応、信号の機能、接続ケーブルの仕様などを記載する。コネクタ番号は概略ブロック図および既設計基板の場合はその仕様書と正確に対応していなければならない。

また、ピンの呼び方は1ピンの位置や上下の順などよく間違えるので基板毎に必ず確認を行うこと。ピン番号の呼び違いはすぐにボードの破壊につながるのでくれぐれも注意するように。

詳細な例はMIRS98のドキュメントを参照すること(各チームで漏れがないように作成すること)。

  1. CPU−IOボード
    5スロットのISAバスラックに搭載される。各ボードは下記のようにISAラックへ搭載する。
    ISAラック
    スロット番号
    搭載基板
    1
    CPUボード
    2
    空き
    3
    IOボード
    4
    空き
    5
    空き
  2. IOボード−LCD
    (注)下記内容は書き方の一例であるので実際とはまったく異なる。これをそのままコピーしても誤った仕様になるので注意すること。

    コネクタ番号:IOボード-CN3
    コネクタ形状:26pピンヘッダ型
    コネクタピン番号呼称:

    ピン番号の呼び方を図で示す。
    コネクタピン信号名機能:
    No.ピン名称方向内容No.ピン名称方向内容
    1VccOUTVcc14VccOUTVcc
    2S0OUT送信信号15S0OUT送信信号
    3S1IN受信信号16S1IN受信信号
    4GND-GND17GND-GND
    5VccOUTVcc18VccOUTVcc
    6S0OUT送信信号19S0OUT送信信号
    7S1IN受信信号20S1IN受信信号
    8GND-GND21GND-GND
    9GND-GND22GND-GND
    10GND-GND23GND-GND
    11GND-GND24GND-GND
    12GND-GND25GND-GND
    13GND-GND26GND-GND
  3. IOボード−ドータボード
    以下、全部上記と同様にすべてのインターフェースを記載する。
  4. ドータボード−ロータリエンコーダ
  5. ドータボード−タッチセンサ
  6. ドータボード−超音波センサ
  7. ドータボード−赤外線センサ
  8. ドータボード−Motor Power回路
  9. ドータボード−Power Distributor
  10. Power Distributor−CPUボード
  11. Power Distributor−Motor Power回路
  12. Power Distributor−電池
  13. Motor Power回路−Motor

6.各部の詳細

  1. 標準MIRS基板
    MIRSデータベースDBMDを参照。
  2. IOボード
    省略
    :
    :
  3. ドータボード(各チームで作成する基板の一例)
    1. 外形
      図X.ドータボード外形図 (Word Meta File

      この内容は既に基本設計書に記載されているはずであるが、再度詳細に検討し記載する。メカニクス部の設計に必要な事項、外形(縦,横,高さ)、取り付け穴の位置、コネクタの位置形状などを良く確認する。必要ならば基本設計書を改版する。
    2. 詳細ブロック図
      図X.ドータボード詳細ブロック図 (Word Meta File

      回路をさらに詳細にブロック化し図示する。またブロックの機能がその名称だけで推測できない場合は機能の説明を記載する。
    3. タイミングチャート
      図X.ドータボードタイミングチャート図 (Word Meta File

      入力信号と出力信号の関係をタイミングチャートで示す。外部信号、内部のブロック間の信号をすべて記す。
    4. 主用部品
      特殊な部品(高機能ICや形状を限定しなければならないリレーなど)を使用する場合は必ず記載する。
    5. 製造仕様書ツリー
      回路基板の製造仕様書の作成はエレクトロニクスの担当である。以下の例に倣って作成すべきドキュメントの階層構造と内容を明確にする。ドキュメント番号を取得して記載しておくのが望ましい。
      ドータボード基板製造仕様書ツリー
      • ドータボード基板製造仕様書(MIRS98XX-PRDT-0001)
        • ドータボード基板組み立て図(MIRS98XX-PRDT-0002)
          • ドータボード PWD(基板)(MIRS98XX-PRDT-0003)
            1. 両面銅箔基板(100x100)(購入品)
            2. CAMデータ(MIRS98XX-PRDT-0004)
          • IC、抵抗などの部品
          • 改造仕様書(MIRS98XX-PRDT-0005)
            1. Power Distributor外形改造図(MIRS98XX-PRDT-0005)
            2. Power Distributor基板パターン切断図(MIRS98XX-PRDT-0006)
            3. Power Distributor基板布線表(MIRS98XX-PRDT-0007)
        • ドータボード基板取扱説明書(MIRS98XX-DOCS-0004)
          • ドータボード回路図(MIRS98XX-DOCS-0001)
          • ドータボード基板外形図(MIRS98XX-CUIR-0002)
          • ドータボード基板パターン図(MIRS98XX-DOCS-0003)
        • ドータボード基板試験仕様書(MIRS98SF-TEST-0001)
          • ドータボード回路図(MIRS98XX-DOCS-0001)
          • ドータボード基板外形図(MIRS98XX-CUIR-0002)
          • ドータボード基板パターン図(MIRS98XX-DOCS-0003)

7.消費電力

すべてのエレクトロニクス部の消費電力を調査し、表にまとめ合計を算出する。電源回路の性能はこの結果から決定する。

関連文書