沼津高専 電子制御工学科
MIRS0204技術調査
FPGA調査報告書
MIRS0204-TECH-0005
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.12.11 杉山 村田 初版

  1. 目的

    このドキュメントは、FPGAボードの使用方法と、使い道を調査、把握するために作成した物である。FPGAボードについて調べることで、今計画しているMIRSの案が可能かどうかを考え直しこれからの開発に役立てることが作成の目的である。

  2. FPGAの基本的な概要

    FPGA(Field Prgramble Gate Array)とは、ユーザが手元で自由にプログラミングすることができるLSIである。つまり自分が欲しいと思う機能をもつLSIを手軽に手元で作ることができる(=プログラミングできる)物である。FPGAはCPUのような複雑な構造のディジタル回路を実現するのにむいているが、高速な動作は期待できない。 基本的には、ANDやORなどからなる組み合わせ回路やフリップフロップを実現できる論理ブロックと、それらを接続するための配線領域からなっている。またFPGAボードでは、デジタル信号しか処理できない。なお、標準MIRSにおいて使用できるポート数は10個である。

    利点

    問題点


    MIRSで使うFPGAボードについて
    FPGAボード
    標準ゲート数:10,000、RAM ビット数:6,144、ユーザI/O数:134、ISA bus

    下は基本的なFPGAボードの図である。

  3. ISAバスとは

    IBM社のパソコンであるPC/ATで採用されたバス(パソコン内部のデータ伝送路)規格を、IEEEが正式に標準化した物.パソコン用のバス規格としてはもっとも普及し、事実上の業界標準だが、最大データ転送速度が8MB/sと遅い。ISAバス(Industrial Standard Architecture-bus)は性能は低いが、仕様が単純なため、拡張カードの設計が比較的容易である。そこで、MIRSカリキュラムではセンサ回路をISAバス仕様の拡張カードで実現する。

    1.アドレスデコーダ
    16bitのアドレスデータからモジュールセレクタ信号を作り出し、AEN信号に合わせて各モジュールに出力する。また、各モジュールが16bitのデータ入出力を行えるように IOCS16 信号を制御する。

    2.液晶ディスプレイ制御モジュール
    CPUから送られてくる8bitの液晶ディスプレイボード制御信号の出力制御を行う。

    3.モータパワー制御モジュール
    CPUから送られてくる速度データをPWM変換し、同じくCPUから送られてくる方向データと共に出力する。

    4.ロータリーエンコーダ制御モジュール
    ドーターボードに搭載されているロータリーエンコーダカウント回路の制御信号の出力制御と8bitのロータリーエンコーダカウント値の入力制御を行う。

    5.超音波センサ信号処理モジュール
    CPUから超音波センサ選択信号を受けると、2bitの超音波センサ選択信号、超音波の送信信号となる幅0.4[ms]、周波数約40[kHz]のパルスと、回りこみ除去回路へのタイミングパルスである受信タイミング信号を出力する。又、超音波センサから受信信号を受けとると、割り込み信号を、割り込み信号のリセットを行うまでCPUへ出力し続ける。

    6.タッチセンサ、赤外線センサ、パワーオン信号処理モジュール
    赤外線センサボードから送られてくる断続的なパルス信号の引き伸ばしを行う。
    6bitの赤外線センサ信号、6bitのタッチセンサ信号、1bitのパワーオン信号を16bitのTIP信号としてCPUに出力する。
    上記の3種類の信号に変化が生じた時に、CPUから割り込みリセット信号が来るまでCPUに割り込み信号を出力する。

    7.ダミーモジュール
    ISAバスの信号の内、ATLMIRS用の各モジュールで使用しない信号をハイインピーダンスに接続する。

  4. MIRS0204のどこに仕様するか

    MIRS0204ではFPGAボードを使って以下の機能を実現する。
    • タッチセンサ信号の処理      
    • (白線感知センサ信号の処理)
    • 赤外線センサ信号の処理
    • パワーオン信号の処理
    • 超音波センサ信号の処理
    • ロータリーエンコーダ信号の処理
    • 液晶表示ディスプレイ制御信号の処理
    • モータパワー制御信号の処理
    • ハードウェア割り込み処理
    • 上記の各入出力機能の制御

参考ホームページ
FPGA Information
FPGAについて