f MIRS0203 Finish
沼津高専 電子制御工学科
MIRS0203 開発完了報告書
MIRS0203-DSGN-0005
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2004.2.26 小山 片桐 初版

目次
  1. はじめに
  2. 開発過程
    1. 3年次
    2. 4年次
  3. 試験結果
    1. サブシステム試験
    2. システム試験(プレ競技会)
    3. 競技会
  4. 作業工数分析
    1. 作業別
    2. 月別
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
    2. エレクトロニクス
    3. ソフトウェア
  6. 既知問題点
  7. まとめ
  1. はじめに これはMIRS0203の開発完了を示し、これまでの作業過程、作業工数を分析したものである。

  2. 開発過程 以下に開発計画と対比させた開発過程を示す。

    1. 3年次
        開発項目 開始(計画) 終了(計画) 開始(作業) 終了(作業)
        調査(MIRSの各部について) 2002/12/10 2002/12/17 2002/12/10 2002/12/17
        基本設計 2002/12/18 2003/02/12 2002/12/18 2003/02/12
    2. 4年次
        開発項目 開始(計画) 終了(計画) 開始(作業) 終了(作業)
        詳細設計書(メカ) 2003/05/02 2003/05/16 2003/05/02 2003/06/04
        詳細設計書(エレキ) 2003/05/02 2003/05/16 2003/05/02 2003/05/21
        詳細設計書(ソフト) 2003/05/02 2003/05/16 2003/05/02 2003/05/21
        製造(メカ) 2003/06/23 2003/07/23 2003/06/23 2003/07/17
        製造(エレキ) 2003/07/04 2003/07/25 2003/07/04 2003/07/17
        製造(ソフト) 2003/07/07 2003/08/22 2003/07/07 2004/01/30
        改善設計(メカ) 2003/09/05 2004/01/29 2003/09/05 2004/02/06
        改善設計(エレキ) 2003/09/05 2003/12/19 2003/09/05 2003/12/19
        改善設計(ソフト) 2004/01/09 2004/02/06 2004/01/09 2004/02/06
  3. 試験結果
    1. サブシステム試験
    2. システム試験(プレ競技会)
      一回目のプレ競技会ではタイヤのトルクが足りず,MIRSがまったく動かなかった。そこがメカの問題点であった。エレキは,各センサは正常に動作していた。 ソフトはライブラリ部分は完成しており,行動プログラムはほとんど完成していなかった。
      二回目のプレ競技会ではMIRSは動き,ポストを発見したものの,取得することは出来なかった。
    3. 競技会
      競技会では2回とも,MIRSは動きポストを発見し,番号を取得した所で,ソフトのバグの部分を実行してしまったために,そこで動作が止まってしまった。
  4. 作業工数分析
    1. 作業別
      開発項目 工数(h)
      行動計画書 205.5
      技術調査(MIRSの各部について) 67.5
      基本設計 113.0
      詳細設計書(メカ) 98.0
      詳細設計書(エレキ) 59.5
      詳細設計書(ソフト) 63.0
      製造(メカ) 150.0
      製造(エレキ) 173.5
      製造(ソフト) 150.0
      改善設計(メカ) 167.5
      改善設計(エレキ) 100.0
      改善設計(ソフト) 7

    2. 月別
      メカ工数(h) エレキ工数(h) ソフト工数(h) 合計工数(h)
      4 119.5 11.5 9 140
      5 48.5 25.5 24 98
      6 29.5 27 0 56.5
      7 104.5 42.5 59 206
      8 3 21 0 24
      9 34.5 29 12 75.5
      10 3 53.5 68 142.5
      11 25.5 184.5 50.5 260.5
      12 88.5 170 69 327.5
      1 350 42.5 130 522.5
      2 33 325 20 378
      合計 839.5 932 441.5 2231
  5. 問題点の発生と分析
    1. メカニクス
      問題点 原因 解決策
      塩ビ板の決められた位置に部品が収まらない 設計ミス 設計を見直した
      MIRS本体の重心の位置がずれている MIRS本体の重心の位置を考慮せずに各部品を配置したため ソフトのほうで修正をした
      赤外線センサがうまく反応しない バンパの配置 バンパを削り、赤外線が反応できる状態にした
      コードがミルス本体からはみ出している コードの配線を考えて設計しなかった シャーシフレームに穴を空けてなるべくミルスの中でコードをまとめるようにした
      超音波センサの値が正確に取れない 周りに干渉するため 前側部の超音波センサの位置をアルミ部品により高くした

    2. エレクトロニクス
      問題点 原因 解決策
      ドーターボードが機能しなかった 設計ミス 何度も確認し作り直した
      FPGAデータがダウンロードされない 不明 FPGAボードを交換した
      超音波センサボードの実装が間違っていた IC,ダイオード,マイクの送受信が逆など 作りなおした
      MPCボードにうまく信号を送れない FPGAの回路間違え 回路を直した
      タッチセンサが正常に動作しなかった GNDとVCCのケーブルの配線が逆になっていた ケーブルの配線を入れ換えた

    3. ソフトウェア
      問題点 原因 解決策
      詳細設計通りに行動プログラムを作ったが,おかしな動きをした 設計不足 再度行動計画を洗い直し,作りなおした
      うまく直進できない。 ソフト側からDuty比を左右そろえて送っても、実際の動きは本体の重心位置や、モーターの精度によりそのDuty比通りに動いてくれないため。 左右のDuty比を調節した。
      コンパイルエラー ソースの書き間違い。 間違ったところを見つけ、直した。
      正確に角度を変えない。 ロータリーエンコーダの不調子、ギヤの遊び ソフト(主にduty比)を変更したりした。ギヤの遊びの影響が出ないような行動にした。
      ポストの周りを正確に周回しない。 本体の重心位置や、モーターの精度 ソフト(主にduty比)を変更したりした。
  6. 既知問題点
  7. まとめ

      メカ:
      当初のMIRS0203のマシンは八角形でした。しかし、ミルスの競技中にポストに引っかかってしまう可能性が出てきたのでマシンの形を円形にしました。それにあわせてタッチセンサのバンパの形状の変更、補助シャーシの製作等も行いました。また設計時の穴の配置等の検討が不十分であったため、組立てる時点になって部品がはまらなかったりすることもありました。やはり、早い段階からのエレキ・ソフトとの連携により、なるべく設計ミスをなくしたり、行動計画に合わせたMIRSの製作ができたらよかったと思います。また塗装に力を入れた点についてはかなり満足しています。いろいろオプション(うちわ等)を付けすぎて重心や風の抵抗に関して悪影響は多少なりとも出た気はしますが、競技会での盛り上がり様を考えると、成功だったのではないかと思います。

      エレキ:
      MIRS0203はドーターボードを多数作りました。GNDとvccが逆であったり、はんだ付けが不十分であったりしてなかなか安定するドーターボードを作ることができませんでした。ドーターボードを完成させるのに3ヶ月かかりました。ドーターボードの設計・作成者がもっと注意深く作業を進めていれば私たちのミルスはもっと早くに完成していたでしょう。とてもくやしいです。電源ボードもなかなか苦戦をしました。

      ソフト:
      デバイス類やテストプログラムはかなり早いうちから完成していたにもかかわらず,MIRS上での動作確認作業になかなか移行できなかった。また、プログラムを組んでいくなかでMIRSの行動(プログラム構成)の変更が頻繁にあったことはチームでの長期開発を行う上で問題であった。しかし、3班は4年後期始めから本格的に作業を行い、デバッグ作業にもかなりの時間をかけることができたので他班より余裕を持って競技会にのぞむことができた点はよかったと思う。


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