沼津高専 電子制御工学科
MIRS0203 基本設計書
MIRS0203-DSGN-0003
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2003.1.22 全員 小山 初版
A02 2003.1.30 全員 小山 細部の修正
A03 2003.2.12 全員 小山 細部の修正

目次

  1. はじめに
  2. システム概要
    1. ハードウェア
    2. ソフトウェア
    3. 競技会行動計画
  3. 諸元
       
    1. 外観
    2. 機能性能
  4. ハードウェア構成
    1. ハードウエア構成ツリー
    2. エレクトロニクス回路構成/機能
    3. エレクトロニクス回路基板外形
    4. ソフトウェアビジビリティ
  5. ソフトウェア構成
    1. ATL-MIRS 標準 ライブラリ
    2. 動作モードとその遷移
    3. モジュール定義
    4. モードの構成要素
    5. 試験機能
  6. システム試験
    1. システム試験概要
    2. システム試験詳細

1 はじめに

  本仕様書はMIRS2002競技規定に基づきMIRS0203チームの作成する小型自立ロボットの基本仕様を記述する。

2 システム概要

  1. ハードウェア

      MIRS0203システムのハードウェアは標準MIRS(注1)に準ずる構成を有するが、MIRS0203固有の機能を実現するためにいくつかの変更点がある。以下、標準MIRSと異なる点のみ述べる。 (注1)標準 MIRS は、2000年度5年生卒研の ATL-MIRS プロジェクトで開発を行った。開発ドキュメントは MIRSATLM ドキュメント管理台帳を参照のこと。

  2. ソフトウェア

      RT-Linux (Ver.2.3) を OS とし、Linux のユーザプロセスとして行動制御プログラムを起動する。 赤外線センサ、タッチセンサからの入力は、行動制御プログラムから、定期的にドライバーを呼び出すことにより監視する。 走行系の制御と超音波センサの制御は、RT タスクによって行い、RT-FIFO を介して必要なデータ通信を行う。プログラムは、C 言語でコーディングする。

  3. 競技会行動計画
  4. 超音波をだしながら、スタート位置から直進して競技場の中央付近まで移動します。 競技場中央でMIRSを360°回転させて、競技場内のポストの位置を確認、発見した順に仮ポスト名をつけて登録する。 MIRSと各ポストの距離と角度を計測し、データから各々のポストとポストとの距離を計算して、今後の動作に利用する。 一番近いポストを周回する。 この時他ポストとの距離を測る。周回したポストのNo.と仮ポスト名とを照らし合わせる。 周回時探索した他ポストの中で一番近いものに移動する。 ポストを周回する。他ポストとの距離と現在のポストのNo.を確認する。 距離の測定結果よりポストのNo.と仮ポスト名とを照らし合わせる。 一番はじめに周回した,ポストが最も近いが検査済みなので次に近いポストへ行く。 接近時に赤外線センサが反応した場合は止まってポストNo.を確認する。 ポストが検出され,まだとらないポストならば,スイッチを回避してから周回動作に移る。もし獲得するポストならば獲得する。 周回とポストNo.と他ポストとの距離の測定を行います。 未確認かつ近いポストへ移動 残りのポストを番号の順で獲得に移る。 このときのポストの確認方法は行動計画提案書内のポスト判別方法を参照

    行動計画の詳細は、行動計画提案書に記載されている。

3 諸元

  1. 外観

    図1に本システムの外観を示す。

    図1. MIRS0203外観図
     
  2. 機能性能

4 ハードウェア構成

  1. ハードウェア構成ツリー

    下記にハードウェアの構成を示す。

    
    MIRS0203製造仕様書
    ├MIRS0203組立図
    │  ├ケーブル接続図
    │  ├電池ホルダ
    │  ├取付金具
    │  ├ネジ類
    │  ├シャーシフレーム組立図
    │  │  ├シャーシフレーム1階
    │  │   ├ロータリエンコーダ
    │  │   ├モーターx2
    │  │   ├モーター取付金具x2
    │  │   ├可逆モータパワー変換ボード
    │  │   ├タッチセンサ・ロータリエンコーダケーブル
    │  │   │  ├マイクロスイッチx2
    │  │   │  ├コネクタ類
    │  │   │  ├ケーブル類
    │  │   │  └ケーブル検査仕様書
    │  │   ├前面タッチセンサ左機構部
    │	 │	 ├取り付けネジ類
    │  │  ├シャーシフレーム2階 
    │  │   ├前方バンパ機構部
    │  │   ├フォトインタラプタ回路基板
    │  │   ├取り付けネジ類
    │  │   ├ISAラック  
    │  │   │  ├CPUボード
    │  │   │  │  └フラッシュディスク
    │  │   │  ├FPGAボード
    │  │   │  │  └ドータボード
    │  │   ├赤外線センサボード
    │  │   │  ├赤外線センサ 
    │  │   ├電子フレーム部ケーブル接続図
    │  │   │  ├コネクタ類
    │  │   │  ├ケーブル類
    │  │   │  └ケーブル検査仕様書
    │  │   ├取付金具
    │  │   └ネジ類
    │  │  ├シャーシフレーム3階
    │  │   ├超音波センサボード
    │  │   │  └超音波センサ
    │  │   ├テンキー
    │  │   ├液晶ディスプレイボード
    │  │   └電源制御基板
    │  │  ├シャーシフレーム4階
    │  │   ├超音波センサボード
    │  │   │  └超音波センサ
    │  │  └シャーシフレーム試験仕様書
    ├電池
    ├MIRS0202システム試験仕様書
    ├MIRS0202取扱説明書
    │
    └ソフトウェア
      ├FPGA回路データ
      │  ├インストール手順書
      │  └取扱説明書
      ├行動制御プログラム
      │  ├インストール手順書
      │  └取扱説明書
      └PICコントロール用プログラム
    
    

  2. エレクトロニクス回路構成/機能


    図2.MIRS0203エレクトロニクス回路ブロック

    各部の機能

    1. CPU ボード部 (CPU)
      MIRSの情報処理、姿勢制御、駆動制御など各種演算を行うためのCPUを積んでいてISAラックに積みこむことができ、ISAバスに差し込みが可能。
      MIRS0203技術調査CPUボード(AT-461VREP)

    2. フラッシュディスク(FD)
      MIRS0203の記憶装置としてハードディスクの役割を果たす。(64MB)

    3. FPGA ボード部 (FPGA)
      FPGA (Field Programable Gate Array) とは、自由に論理回路を書き込める集積回路の一種で、なかでも比較的規模の大きなものを指す。 MIRS0203ではFPGAボードを使用して以下のことを実現する。
      • タッチセンサ信号の処理
      • 赤外線センサ信号の処理
      • 超音波センサ信号の処理
      • パワーオン信号の処理
      • ロータリーエンコーダ信号の処理
      • LCDパネル制御信号の処理
      • モーターパワー制御信号の処理
      • Hardware割り込みの処理
      • 上記の各入出力機能の制御
      MIRS0203技術調査FPGAボード

    4. ドータボード部 (DB)
      MIRSATLM ドーターボードは、FPGAボードで行っているATLMIRS独自の入出力機能の制御を補助するためのボードである。この機能を実現するためにMIRSATLM ドーターボードは以下のような機能を持つ。
      • ドーターボードを通してFPGAボードにつながる各基板に電源(5V GND)を供給する。
      • 液晶ディスプレイボードのコントラストアドジャストを行う。
      • タッチセンサ(マイクロスイッチ)から入力されるスイッチ入力のチャタリング除去を行う。
      • 超音波センサ選択信号によって選択された超音波センサをFPGAボードの超音波センサ信号処理モジュールに接続する。
      • FPGAボードから送られてくるMPC信号を用いて、MPCボードのフォトカプラを動作させる。
      • PDボードから送られてくる駆動系電源ON信号からパワーオン信号を作ってFPGAボードに出力する。
      MIRS0203技術調査ドータボード

    5. 電源ボード部(PD)
      電源制御ボードは、主に2つの機能を持つ。 1.各ボードの電源として+5Vの電圧を出力する回路。 2.非常停止スイッチ用コネクタにより、モーターの電源のみをカットする事を可能にする。
      MIRS0203技術調査電源ボード

    6. モータパワー制御ボード部(MPC)
      電源ボードは以下の性能を有する。 7.2Vニッカド充電電池から供給される7.2Vを電子回路系用の+5Vに変換する。 7.2Vニッカド充電電池から供給される7.2Vを緊急停止スイッチを介してモータパワー制御ボードへ供給する。 駆動系電源の状態を出力する。

    7. テンキー(TEN)
      MIRSの電源のON/OFF、プログラムやモードの切り替えをするときに使う。
      MIRS0203技術調査LCDとテンキー

    8. 超音波センサボード部(USS)
      MIRSATLM 超音波センサボードは、ボード1つにつき超音波センサが一対搭載され、FPGAの超音波センサ選択回路により選択されると超音波の送受信が行われる。この回路は、ゲートを組み合わせた送信回路と、オペアンプをつかった増幅回路を持つ受信回路、コンパレータを使った比較回路の3つの回路からなる。
      MIRS0203技術調査超音波センサ

    9. 赤外線センサボード部(IRS)
      赤外線センサ回路は赤外線の受光状態を反応の有り、無し以外に、連続するパルスの組み合わせによってそのポストの数字を識別する。この回路は赤外線センサの受光素子から送られてくるH 又は Lの信号を処理し、信号に状態変化が起きたときに割り込み要求信号をCPUに送る機能を有する。
      MIRS0203技術調査赤外線センサ

    10. タッチセンサ部(TS)
      マイクロスイッチを用い、スイッチ押下時のチャタリングを除去した信号を送る。障害物(ポスト)に衝突した場合、もしくはポストのスイッチを押したときMIRSがこれを認識するためにこれを使用する。
      MIRS0203技術調査タッチセンサ

    11. 液晶ディスプレイ部(LCD)
      実行中のモードやプログラムなど、MIRSの状態を表示することでMIRSの走行試験などで正しい動作をしているか確認する。
      MIRS0203技術調査LCDとテンキー

    12. ロータリーエンコーダ(RE)
      タイヤの回転数(アナログ量)をパルス数(デジタル量)に変換し、回転方向と回転数を求めることができる。
      MIRS0203技術調査ロータリーエンコーダ

    13. モータ(M)
      MIRSの駆動系としてギアを間に入れてタイヤを付けて使用する。MIRS0102ではそれを二つ使って両タイヤをPWM制御によって制御する。
      MIRS0203技術調査DCモータ

  3. エレクトロニクス回路基板外形

    1. 下記については標準MIRS基板を使用するので MIRS データベースを参照すること

    2. ドータボード
      • FPGA の20pin ジャンパコネクに接続したとき、ISA ラックに収納可能なこと。
      • IO 接続コネクタが ISA ラックの外に出て、ケーブルの取外しが容易であること。ただし、不必要にラックの外に飛び出さないこと。
      • ボード外形を図3に示す。

    図3. ドータボード外形

  4. ソフトウェアビジビリティ

    ソフトウェアビジビリティとは、ソフトウェア(プログラム)から見たとき、ハードウェアにどうアクセスするのかを示したものである。本システムのソフトウェアビジビリティはATL-MIRSソフトウェアビジビリティ(暫定版)の仕様を基本とし、MIRS0203の各センサの個数に合わせて、変更する。

    1. 液晶ディスプレイ制御モジュール
      Table.7_d_1_1 液晶ディスプレイ制御モジュールのソフトウェアビジビリティ
      アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      0100H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      0
      0
      0
      0
      0
      0
      1
      W
      表示画面をクリア後、アドレスカウンタにDD RAMの0番地をセットする。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      0
      0
      0
      0
      0
      1
      *
      W
      アドレスカウンタにDD RAMの0番地をセットする。
      シフトしていた表示も元に戻るが、この時DD RAMの内容は変化しない。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      0
      0
      0
      0
      1
      I/D
      S
      W
      データ書き込みおよびデータ読み出し時にカーソルの進む方向、
      表示をシフトするかどうかの設定を行う。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      0
      0
      0
      1
      D
      C
      B
      W
      全表示のON/OFF(D)、カーソルのON/OFF(C)、
      カーソル位置の文字のブリンク(B)をセットする。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      0
      0
      1
      S/C
      R/L
      *
      *
      W
      DD RAMの内容を変えずカーソルの移動、表示のシフト動作を行う。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      0
      1
      DL
      N
      F
      *
      *
      W
      インターフェース長(DL)、表示桁数(N)、文字フォント(F)を設定する。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      0
      1
      Acc
      W
      CG RAMのアドレスをセットする。この後送受するのはDD RAMのデータ。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      1
      Add
      W
      DD RAMのアドレスをセットする。この後送受するのはDD RAMのデータ。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      BF
      AC
      R
      内部動作中を示すビジーフラグ(BF)およびアドレスカウンタの内容を読み出す。
      0102H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      Write Data
      W
      DD RAMまたはCG RAMにデータを書き込む。
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      Read Data
      R
      DD RAMまたはCG RAMにデータを読み出す。

      * I/D ・・・ '1' : インクリメント '0' : デクリメント * S ・・・ '1' : 表示のシフトを行う '0' : 表示のシフトを行わない
      * S/C ・・・ '1' : 表示のシフト '0' : カーソルの移動 * R/L ・・・ '1' : 右シフト
      * DL ・・・ '1' : 8bit '0' : 4bit * N ・・・ '1' : 2行目 '0' : 1行目
      * F ・・・ '1' : 5 x 10ドット '0' : 5 x 7ドット * BF ・・・ '1' : 内部動作中 '0' : インストラクション受付可
      * DD RAM ・・・ 表示データRAM * CG RAM ・・・ キャラクタジェネレータRAM
      * Acc ・・・ CG RAMのアドレス * Add ・・・ DD RAMのアドレス、カーソル番地に対応する
      * AC ・・・ DD RAM、CG RAMの両方に用いるアドレスカウンタ
      * Writeデータ , Readデータ ・・・ 以下の文字コード表を参照

      Table.7_d_1_2 文字コード表

    2. モータパワー制御モジュール
      Table.7_d_2 モータパワー制御モジュールのソフトウェアビジビリティ
      アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      0110H
      * * * * * * * * L26 L25 L24 L23 L22 L21 L20 LD W
      方向データ、速度データから方向信号、PWM信号を生成する。
      * * * * * * * * L26 L25 L24 L23 L22 L21 L20 LD R バッファの内容を送る。(ラッチされているか確認するため)
      0112H
      * * * * * * * * R26 R25 R24 R23 R22 R21 R20 RD W 方向データ、速度データから方向信号、PWM信号を生成する。
      * * * * * * * * R26 R25 R24 R23 R22 R21 R20 RD R
      バッファの内容を送る。(ラッチされているか確認するため)

      * L2X ・・・ 左速度データ * R2X ・・・ 右速度データ
      * LD ・・・ '1' : 左タイヤ正転 '0' : 左タイヤ逆転 * RD ・・・ '1' : 右タイヤ正転 '0' : 右タイヤ逆転

    3. ロータリーエンコーダ制御モジュール
      Table.7_d_3 ロータリーエンコーダ制御モジュールのソフトウェアビジビリティ
      アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      0120H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      RY
      RX
      CS
      XY
      UL
      W
      ドーターボード上のロータリーエンコーダカウント用 IC μPD4701 の動作制御を行う
      0122H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      D27
      D26
      D25
      D24 or D212
      D23 or D211
      D22 or D210
      D21 or D29
      D20 or D28 R
      ロータリーエンコーダのカウント値を読みこむ

      * UL ・・・ '1' : 上位バイトを選択 '0' : 下位バイトを選択 * XY ・・・ '1' : Yカウンタを選択 '0' : Xカウンタを選択
      * RX ・・・ '1' : Xカウンタのリセット * CS ・・・ '1' : REカウントデータ出力ピンをハイインピーダンスにする '0' : REカウントデータ出力ピンをアクティブにする
      * RY ・・・ '1' : Yカウンタのリセット * D2X ・・・ : ロータリーエンコーダカウント値

    4. 超音波センサ信号処理モジュール
      Table.7_d_4 超音波センサ信号処理モジュールのソフトウェアビジビリティ
      アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      0130H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      21
      20
      W
      D1,D0で選択したセンサに40μsecの間送信信号を送信する。
      0132H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      M
      R
      W
      超音波センサモジュールの割り込み信号(IRQ3)のマスク、アンマスク、リセットを行う。

      * M ・・・ '1' : 割り込み信号のマスク '0' : 割り込み信号のアンマスク * R ・・・ '1' : 割り込み信号のリセット

    5. タッチセンサ、赤外線センサ、パワーオン信号処理モジュール
      Table.7_d_5 タッチセンサ、赤外線センサ、パワーオン信号処理モジュールのソフトウェアビジビリティ
      アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      140H
      PO
      '0'
      '0'
      '0'
      TS3
      TS2
      TS1
      TS0
      '0'
      '0'
      '0'
      '0'
      '0'
      '0'
      IRS1
      IRS0
      R
      POはパワーオン信号、TS*はタッチセンサ、
      IRS*は赤外線センサの状態をそれぞれ示す。
      0142H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      M
      R
      W
      TIP_Mの割り込み信号(IRQ6)のマスク、アンマスク、リセットを行う。

      * PO , TS* , IRS* ・・・ '1' : ON '0' : OFF * M ・・・ '1' : 割り込み信号のマスク '0' : 割り込み信号のアンマスク
      * R ・・・ '1' : 割り込み信号のリセット

    5 ソフトウェア構成

    1. ATL-MIRS 標準 ライブラリ

      ATL-MIRS用に開発された標準ライブラリを使用する。
      ATL-MIRS 標準 ライブラリユーザマニュアル(現在作成中)
      参考 MIRSATLM プログラム詳細仕様書

    2. 動作モードとその遷移

      • 動作モード
        1. 待機モード
          電源が入った後,キーボード入力を受け付ける。 ポストの数を入力する。データを初期化する。
        2. 初期動作モード
          超音波センサを使用しながら競技場中心付近のポストのない位置へ移動する。移動後、自転してポストの距離とポスト間の角度を計測(計算)。ポスト間の距離を計算。一番近いポストの方向に向く。
        3. ポスト接近モード
          前方へ向けた超音波センサ(3個)、赤外線センサとロータリーエンコーダを使用しポストに接近。設定距離以内に接近後にMIRS前面に設置した赤外線センサが反応した場合、緊急獲得モードへ移る。そうでなければ前面部タッチセンサがぶつかるまで直進後、通常獲得モードへ遷移する。
        4. 通常獲得モード
          タッチセンサを用いポストの中心を見つけて5cm後退する。左に90度回転。時計回りにポストを周回する。そして、MIRS左側に設置した赤外線センサによりスイッチの探索を行う。発見したスイッチが獲得すべき番号であれば獲得する。獲得確認後ポストから5cm後退する。左へ90度回転する。
          360度以上周回してもスイッチが発見されないときはもう一度ポストの中心を見つけ5cm後退、左へ90度回転する。
        5. 緊急獲得モード
          前方のスイッチが獲得すべき番号ならばそのまま前進、獲得する。獲得確認後、ポストの中心を見つけ5cm後退、左へ90度回転。
          獲得すべき番号でなければスイッチを回避してポストにぶつかり中心を見つけ5cm後退、左へ90度回転する。
        6. 周回探索モード
          ポスト獲得モードよりこのモードに移る。ポストを(400度)周回し、MIRSの左方向に向けた超音波センサでポスト間の距離を測定。データを処理して、次に向かうポストを決定する。ポストをさらに周回して目標ポストを確認し、前方に向けた真中の超音波センサで目標ポストを確認するまで左へ回転する。
        7. ロストモード
          ポスト接近モード中にポストを見失ったとき、MIRS前方で近くにあるポストを目標に定めるためのモード。
          また、これを2回目の競技の初期動作モードとして使う。
        8. 緊急回避モード
          目標以外のポストの接近に対して回避行動をとる。その後方向と距離を修正、もとのモードに復帰する。
        9. 終了モード
          全ポスト獲得後に,データの記憶などの終了処理を行う・・・・・・・。
        10. 試験モード
          各モード、モジュール等の動作チェックのためのモード。
        11. 修正タスク
          おもに走行系の補正をするために用意する。

      • モード遷移

        図4. モード遷移図

        モード遷移表
        遷移後\遷移前待機モード初期動作モードポスト接近モード緊急獲得モード通常獲得モード周回探索モードロストモード緊急回避モード終了モード試験モード修正タスク
        待機モード
        1回目協議開始時のテンキーからの入力



        2回目競技開始時のテンキーからの入力

        テンキーからの入力テンキーからの入力
        初期動作モード

        初期動作終了



        MIRS進行方向にポストがあった場合
        試験終了後
        ポスト接近モード


        ポスト接近時に前方赤外線センサが反応ポスト接近後タッチセンサに反応
        目標ポストを見失った場合MIRS進行方向にポストがあった場合
        試験終了後
        緊急獲得モード




        緊急獲得モード終了後

        すべてのポスト回収後試験終了後
        通常獲得モード




        通常獲得モード終了後

        すべてのポスト回収後試験終了後
        周回探索モード

        次に向かうべきポストを確認






        試験終了後

        ロストモード

        現在地より、最も近いポスト発見時





        試験終了後
        緊急回避モード
        初期動作モードより遷移し、緊急回避モード終了時ポスト接近モードより遷移し、緊急回避モード終了時


        (回避後に目標ポストを見失ったとき)

        試験終了後
        終了モード








        試験終了後
        試験モード試験終了時(テンキー入力)テンキーからの入力テンキーからの入力テンキーからの入力テンキーからの入力テンキーからの入力テンキーからの入力テンキーからの入力テンキーからの入力

        修正タスク修正完了時(テンキー入力)









    3. モジュール定義

      基本的な動作をいくつか定義し、それを一つのプログラム群として定義する。これをモジュールと呼ぶことにする。ここでは、モジュールの定義とそのモジュールを構成するために必要な標準ライブラリの API を記述する。
      • PWM/エンコーダ API(RT-タスク)
      • 超音波センサ API(RT-タスク)
      • 赤外線センサ (ドライパー)
      • タッチセンサ (ドライパー)
      • LCD (ドライパー)

      • 回転モジュール
        定義:ロータリーエンコーダを用いて MIRS を指定した角度、回転方向、速度でその場で回転させる関数群。
        API:PWM/エンコーダ
      • 直進モジュール
        定義:指定した距離、または特定条件を満たすまで直進(後進)させる関数群。
        API:PWM/エンコーダ
      • ポスト周回モジュール
        定義:指定した角度、または特定条件を満たすまでポストを周回させる関数群。
        API:PWM/エンコーダ
      • ポスト番号判別モジュール
        定義:ポスト番号を判別するための関数群。
        API:赤外線センサ
      • 目標ポスト決定モジュール
        定義:ポストデータより次の目標ポストを決定するための関数群。
      • 中心判別モジュール
        定義:ポストの中心を見つけるための関数群。
        API:タッチセンサ
      • 正対判別モジュール
        定義:MIRS(超音波センサ)とポストが正対した時を判別するための関数群。
        (API:超音波センサ、PWM/エンコーダ)
      • 位置確認モジュール
        定義:周回探索モードで得たポストデータより、MIRSの周回したポストに対する認識が正しいか確認、間違っていたら修正する。

    4. モードの構成要素

      それぞれの動作モードを構成するのに必要なモジュールと標準 API をモード毎に列挙する。
      1. 待機モード
      2. 初期動作モード
        超音波センサAPI、赤外線センサAPI、タッチセンサAPI、直進モジュール、回転モジュール、正対判別モジュール
      3. ポスト接近モード
        超音波センサAPI、赤外線センサAPI、タッチセンサAPI、直進モジュール
      4. 通常獲得モード
        ポスト番号判別モジュール、回転モジュール、ポスト周回モジュール、タッチセンサAPI、中心判別モジュール
      5. 緊急獲得モード
        ポスト番号判別モジュール、回転モジュール、ポスト周回モジュール、タッチセンサAPI、赤外線センサAPI、中心判別モジュール
      6. 周回探索モード
        目標ポスト決定モジュール、回転モジュール、ポスト周回モジュール、正対判別モジュール、位置確認モジュール
      7. ロストモード
        回転モジュール、超音波センサAPI
      8. 緊急回避モード
        直進モジュール、回転モジュール(ポスト周回モジュール)
      9. 終了モード
        ・・・・・・・・・・・
      10. 試験モード
        すべてのモジュール、API
      11. 修正タスク


    ※モード、およびモジュールは必要に応じて変更する。

  5. 試験機能

    下記の試験機能を有する。

    • 各センサの状態を表示する機能。
    • 左右車輪の回転数と回転方向を独立に試験する機能。
    • 一辺1mの正方形をトレースする機能。
    • 半径1mの円をトレースする機能。

6 システム試験

  1. システム試験概要

      システム試験はシステムの組立が完了した段階で、基本設計書の内容に適合しているかどうかを試験する。システム試験を実施する際には、各サブシステムで規定されるサブシステム試験に合格していなければならない。

      • 外形試験
        *各部はしっかりと固定されているか
        *欠落している部分はないか
        *寸法は規定内に収まっているか(設計寸法とあっているか)
      • センサ機能試験
        *各種センサは正確に動作しているか
        ・超音波センサ、赤外線センサの精度、誤差を実際に搭載して測定する
        ・タッチセンサの耐衝撃試験をする
      • 規定走行試験
        *行動計画書に示されたとおりにMIRSが走るか
        *MIRSが白線を踏み越えて走らないか
      • 競技プログラム試験
        *実際の競技会を想定して競技会で使うフィールドで試験を行う
  2. システム試験詳細

    システム試験の詳細は、下記の試験仕様書に記載される。
    MIRS0203システム試験仕様書
    関連文書