沼津高専 電子制御工学科
赤外線センサ
MIRS0201-TECH-0002
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2002.12.16 岩崎 今村
初版

IR_senser1

赤外線センサの調査


目次
  1. 主旨
  2. 赤外線とは
  3. 赤外線センサの種類
  4. 指向特性
  5. 赤外線センサと送信機(詳細)
  6. 符号化信号

  1. 主旨
  2. システム主要構成部品のひとつである赤外線センサについてその基本性能及び特性を調査、理解し、MIRSにおける利用方法を検討する。



  3. 赤外線とは

  4. 今回利用する赤外線について
    ・赤外線波長:940(950)nm  (可視光線400〜750nm)
    ・キャリア信号:37.9kHz (キャリア信号:赤外線を出しているベースの信号)
    ・発光パターン

    ノイズ対策(符号化信号の利用)
    過去のMIRSの実績では、外部光(日射、撮影用ライト)によるノイズにより赤外線を誤認識する場合があった。
    符号化信号を利用することにより、発信器からのノイズを確実に処理することが可能である。

     信号処理の方法としては、
    ・符号化信号を平滑化する前の信号をFPGA内のメモリに記憶させて、RT‐taskにより定期的にそのデータを取り出し、規定のパターンと一致しているかを確認する。
    ・符号化信号を平滑する段階で、信号パターンが規定のコードと一致しているかをハードウェア的に認識させ、一致していた場合のも、その後の処理を行うようにさせる。
    などが考えられる。

  5. 赤外線センサの種類

     量子型
    フォトンを吸収しキャリアを励起することによって直接赤外線を検出するセンサである。このセンサは後に述べる熱型センサより100〜1000倍の検出能力を持つが、動作温度が低いため通常は液体窒素などで冷却の必要があるため、MIRSでの利用は望めない。


     熱型
    エネルギー吸収による温度変化を利用するもの。素子としては、熱電対サーミスタ・ボロメータ、焦電型素子などがある。特に焦電型素子は比較的感度が高く、構造が簡単なのでよく用いられる。


     ◎赤外線センサの利点は、主に”赤外線は可視光線に比べて空気中の透過率が高い”ということ。(しかし、波長によっては透過率が低い赤外線もある)


    赤外線LED TLN105B
    ◎特徴 ・放射強度が大きい。
        ・指向特性が広い。
    ・光出力の直線性が良く、パルス動作、高周波による変調が可能。

    赤外線の種類 


  6. 指向特性

  7. 1,赤外線送信機の指向特性について

    理論値による指向特性
    指向特性



    2,赤外線受信機の指向特性について

    性能
    赤外線受信機は、受信した光の強度を測定できないため、送信機と受信機の間の距離を知ることは出来ない、つまり、得られる情報は少ないのである。 図1に示す送信機を用いて、図2の光学系においてリモコンセンサの出力信号が下記の各項目を満足すること。

    直線受信距離特性
    図2において、L=0.2〜5m、Ee<10lx(※3)、φ=0°のとき、出力信号が1ー4項の電気的特性を満足すること。


    指向角受信距離特性
    図2において、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ≦30°、Y方向θ=0°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。
    又、L=0.2〜3m、Ee<10lx、X方向φ=0°、Y方向θ≦15°のとき1ー4項の電気的特性を満足すること。


      ※3) 受光面照度を示す。


    図1 送信機 
    図1 送信機 


    図2 光学系 
    図2 光学系


    理論値による赤外線受信機の指向特性


    1−6 指向角特性

    X方向特性 
    X方向特性


    Y方向特性 
    Y方向特性





  8. 赤外線センサと送信機(詳細)

  9.    送信機

    最大定格(Ta=25)
    項   目記号定格単位
    直流順電流IF100mA
    直流順電流低減率(Ta>25℃)ΔIF/℃-1.33mA/℃
    パルス順電流IFP(注)1A
    直流逆電圧VR5V
    許容損失PD150mW
    動作温度Topr-20〜75
    保存温度Tstg-30〜100
    (注)パルス幅≦100μs,繰り返し周波数=100Hz


    電気的特性(Ta=25℃)
    項目記号測定条件最小標準最大単位
    順電圧VFIF=100mA---1.351.5V
    逆電圧IRVR=5V------10μA
    放射強度IEIF=50mA1220---mW/sr
    光出力POIF=50mA---11---mW
    端子間容量CTVR=0,f=1MHz---20---pF
    ピーク発光波長λPIF=50mA---950---nm
    スペクトル半値幅ΔλIF=50mA---50---nm
    半値角θ1/2IF=50mA---±23.5---°


    波長特性(標準値)(IF=50mA,Ta=25℃)

    外形



    センサ

    定格及び特性
    構成図
    構成図 


    1−2 絶対最大定格
    項目記号定格値単位
    電源電圧Vcc0〜6.0V
    動作温度Topr-10〜+60 ※1
    保存温度Tstg-20〜+70
    保存温度Tsol260 ※2
    ※1 )結露なきこと。  ※2 )樹脂端面より下部の位置で5秒間

    1−3 推奨動作条件
    項目記号動作条件単位
    電源電圧Vcc4.7〜5.3V

    1−4 電気的特性 (特に指定の無い限りTa=25℃,Vcc=5V)
    項目記号MINTYPMAX単位備考
    消費電流Icc---2.84.5mA入力光なし、出力端子OPEN
    ハイレベル出力電圧VOHVcc-0.2------V※2,出力端子OPEN
    ローレベル出力電圧VOL---0.450.6V※2,プルアップ抵抗kΩ
    ハイレベルパルス幅T1400---800μS※2
    ローレベルパルス幅T2400---800μS※2
    B.P.F.中心周波数f0---38---kHz
    ※2) 下図に示すバースト波を、図1に示す送信機にて送信するものとする。


    バースト波
    バースト波 


    赤外線センサ外形図1

    赤外線センサ外形図2



  10. 符号化信号
  11. 符号化信号について
    符号化信号を使って、それぞれのポストから出される赤外線の波長を変えることにより、ポストの区別をする。

    ノイズ対策(符号化信号の利用)
    過去のMIRSでは、外部光(日射、ライト)によるノイズにより赤外線の誤認識する場合があった。符号化信号を利用すれば、そのようなノイズを確実に処理することが可能である。

    信号処理の方法
    ・符号化信号を平滑化するまえの信号をFPGA内のメモリに記憶させて、RT-taskにより定期的にそのデータを取り出し、 規定のパターンと一致してるかを確認する。
    ・符号化信号を平滑する段階で、信号パターンが規定のコードと一致してるかを ハードウェア的に認識させ、一致していた場合のも、その後の処理を行うようにさせる。