沼津高専 電子制御工学科
MIRS0104ロータリーエンコーダ調査報告書
MIRS0104-TECH-0011
 
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容 提出先
A01 2001.12.11 渡邊 森元 初版 MIRS0104
A02 2001.12.13 渡邊 森元 段落等の改訂 MIRS0104

第1章 ロータリエンコーダとは


1.1 ロータリエンコーダとは

  タイヤ(モータ)の回転数(アナログ量)をパルス数(デジタル量)に変換する機能があり、これによってMIRSは自己の位置を認識できるようになる。
 MIRSで使用するロータリーエンコーダは、大きく分けて2つの部位からなり、1つ目は、マイクロエンコーダである。  これは、回転軸の回転速度に比例した、互いに90°位相の異なる2相の近似正弦波を出力しているもので、2相の位相関係から回転方向が判別できる。2つ目はロータリエンコーダモジュールであり、これは上の2相の信号をカウントして回転数を求めることができる。  
 一般的なロータリーエンコーダの使用方法は、回転子の回転数の検出、それをもとにした回転子の速度の検出である。
MIRSでは最も一般的な光電式を使用する。

第2章 光電式ロータリエンコーダの概要


2.1 回転量の検出

 発光ダイオード(LED)と受光素子(フォトトランジスタ)が、回転軸に取り付けられた回転スリット(A)と固定スリット(B)をはさみ相対して取り付けられている。回転スリット(A)が回転すると、ダイオードの光がスリットによって通過、遮断を繰り返す。この光を受光素子により検出して、信号(パルス)に変換する。出力信号を2相にするため、固定スリット(B)のスリットは2つで、90°位相がずれている。
 
光電式ロータリエンコーダの概要      
fig1.光電式ロータリエンコーダの概要

ロータリーエンコーダからの出力信号は近似正弦波形であるので、これを波形整形回路でパルス波形にする。 

パルス       
fig2.パルス
  

2.2 回転方向(正転/逆転)の判別

 パルス整形回路からの出力信号A,Bの組み合わせには、回転方向により2つのパターンがある。
 
パルスパターン       
fig3.パルスパターン
 

 上記のように出力信号A,Bの位相差は常に90°であるが、回転方向により、ずれ方が異なってくる。
@の場合、B信号の立ち上がり時にA信号は必ず”H”になっているため回転方向検出信号は”H”になる。
Aの場合、B信号の立ち上がり時にA信号は”L”になっているため、回転方向検出信号は”L”になる。
このようにして回転方向の判別を行う事ができる。

2.3 回転速度の検出

A、Bの周波数は回転数に比例するからBのパルスを一定時間毎にカウントし回転数をデータ化する。データの読み込みはタイマー割り込みを使い、そのたびにカウンタはリセットされる

第3章 パルス弁別回路


3.1 パルス弁別回路

 2相パルス出力型のエンコーダ正転/逆転を検出するために必要な回路。通常、このA,B相の動きよりup/downパルスを作り出し、必要桁数のup/downカウンタに入力し、カウンタの内容を読み取る事で回転量を知る事ができる。パルス弁別回路は、このup/downパルスを作り出す回路である。 
fig4.パルス弁別回路
  

第4章 信号処理のブロック


4.1 信号処理のブロック

 
fig5.信号処理のブロック
 

第5章 マイクロエンコーダ


5.1 マイクロエンコーダの仕様

MIRSでのマイクロエンコーダは、maxonのモータと一体化したものです。 
テクニカル・データ
供給電圧  5V(-10/+10%)
出力信号  TTLコンパチブル
立ち上がり時間  200ns
下降時間  50ns
チャンネル数  2
カウント/回転  100
使用温度範囲  -20/+85℃
コード・ホイール慣性モーメント  =<0.05gcm2
最大加速度  250000rads-2
最大出力電流/チャンネル  5maA
位相差  90°e(-45/+45°e)
最大周波数  20kHz
 

第6章 参考資料


6.1 使用した資料
・MIRSATLMロータリエンコーダ技術資料 (MIRSATLM-TECH-0001)
Last up date is 01/12/13