沼津高専 電子制御工学科
MIRS0104 LCD調査報告書
MIRS0104-TECH-0009
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.12.13 湯浅 湯浅 初版

液晶ディスプレイ(LCD)調査報告


目次

  1. 目的
  2. 調査項目
  3. 考察

1.目的


2.調査項目

(1) 表示の原理

    ページの図のような仕組みをひとつの表示単位として、これを並べることで実際のディスプレイができあがります。表示のしかたには、次のような方式があります。


    1.セグメント方式
    細長い表示単位を「8の字」型に並べて、数字を表示する。
    2.ドットマトリックス方式(文字表示)
    表示単位を縦横の行列に並べて、文字を構成する。
    3.ドットマトリックス方式原理
    (グラフィック表示)
    表示単位を縦横の行列に並べて、図形などを描く。

    (2) カラー表示の原理

    一つひとつの表示単位の上にカラーフィルターをかけることで、 カラー表示が可能になります。ドットマトリックス方式の場合、 光の3原色であるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3 種類のフィルターを用いて、赤・緑・青のそれぞれのドットをつ くり、その組合せでさまざまな色を表現することができます。

    (3) 表示の形態

    液晶を通る「光」には、外光やランプなど周囲の光源を利用します。 光源との位置関係で、表示形態が分類されます。
    1. 透過型(液晶テレビ)
    2. 反射型(液晶電卓、液晶時計)
    3. 投影型(液晶プロジェクション)

    ・液晶の表示形態

    (4) LCDの構造

    ここでは、単純マトリックスを例にとって液晶ディスプレイの構造を説明します。


    カラー液晶ディスプレイの構造は、それぞれの構成要素が サンドイッチのように層状になっています。

    1−偏光フィルター
    出入りする光をコントロールする。
    2−ガラス基板
    電極部からの電気がほかの部分に漏れないようにする。
    3−透明電極
    液晶ディスプレイを駆動するための電極。表示の妨げにならないよう透明度の高い材料を使う。
    4−配向膜
    液晶の分子を一定方向に並べるための膜。
    5−液晶
    6−スペーサー
    液晶物質をはさむ2枚のガラス基板に、均一なスペースを確保する。
    7−カラーフィルター
    RGBのそれぞれのフィルターをかけ、色を表示する。
    8−バックライト
    ディスプレイの背後から光を当て、画面を明るくする。
    モノクロ表示の液晶ディスプレイでは、これの代わりに「反射板」を使い、自然光で見えるようにしてあるものもある。


    (5) 機能概要

    MIRSATLM FPGAボード液晶ディスプレイ制御モジュールはLCDの制御を行うため のものであり、FPGAボード内のFPGAチップに構成される。この機能 を実現するためにMIRSXATLM FPGAボード液晶ディスプレイ制御モジ ュールでは以下のような機能構成を持つ。


    Fig.1 FPGAボード液晶ディスプレイ制御モジュールの機能構成図(lcd.jpg)

    上記の機能構成図に示した各機能ブロックの詳細説明を行う。

    1. LCD動作制御モジュール
      このモジュールはLCD(SC-1602BS)にデータを書きこみ・ 読み出しするのに必要なEnable信号、R/W信号を生成している。
      具体的にはISA-BUSのIO制御信号をLCDの制御信号に変換し出力 している。
      ISA-BUS,LCDの信号に関するタイミングチャートを 以下に示す。

      Figure.2_a LCDモジュールタイミングチャート(Write) (lcd_w.jpg)


      Figure.2_a LCDモジュールタイミングチャート(Read) (lcd_r.jpg)

      詳細に関しては「HITACHI ドットマトリクス液晶表示コントローラドライバ(HD44780U)」の仕様書を参照のこと。

    2. データ制御モジュール
      このモジュールはISA-BUS−LCD間のデータの流れを制御 している。
      IOR,IOWの信号からR/W信号を作りだしその信号によりデータのRead, Writeの方向が決まる。
      この回路ではスリーステートによりデータの 方向を制御しており、信号がRの場合はLCD→ISA、Wの場合はISA→LCDの 方向にデータが流れる仕組みになっている。

3.考察

    僕達のMIRSでは、特に開発段階などで実際に今、MIRSがどのパターンの行動 をしているかなどがわかるためにLCDが取りつけられると思います。 よってFPGA、ISAバスの仕様を実験でしっかり理解する必要があります。 さらに、表示の種類もセグメント方式で十分なのですが、ドットマトリックス方式 のものを使えば、ある程度のグラフィック表示も可能なので、やろうと思えばポス トの獲得時などのMIRSの感情を表すこともできると思います。

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