沼津高専 電子制御工学科
MIRS0104基本設計書
MIRS0104-DSGN-0004
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2002.1.24 全員 森元 初版

1 はじめに

本仕様書はMIRS2001競技規定に基づきMIRS0104チームの作成する自立型小型知能ロボットの基本仕様を記述する。

2 システム概要

  1. ハードウェア

    MIRS0104システムのハードウェアは標準MIRSに準ずる構成を有する。MIRS0104固有の機能を実現するための変更点がある。以下に標準MIRSと異なる点を述べる。 標準 MIRS は、 MIRSATLM ドキュメント管理台帳 を参照のこと。

  2. ソフトウェア

    MIRS0104システムのソフトウェアは標準MIRSに準ずる構成を有する。以下にその概要を述べる。

    (注1)標準MIRSの実装OSについては MIRSATLM 実装OS環境仕様書 を参照のこと。

  3. 競技会行動計画

    1. その場で本体が超音波でポストを探し回転
    2. 発見したポストへ向かいポスト周辺を回りスイッチをみつける
    3. 番号を取得してとるべき番号ならポスト取得
    4. 作業中に随時超音波でポストを探しているので会場の広さから考え
      作業中に最低1つは見つかるので次にそのポストへ向かう。
      その間も超音波の探索は怠らない。

行動計画の詳細は、MIRS0104行動計画提案書に記載されている。

3 諸元

  1. 外観

    図1に本システムの外観を示す。

    図1. MIRS0104外観図


  2. 機能性能

4 ハードウェア構成

  1. ハードウェア構成ツリー


    下記にハードウェアの構成を示す。
    
          
    MIRS0104製造仕様書 
    |-------- MIRS0104組立図 
    | |-------- シャーシフレーム組立図 
    | | |-------- シャーシフレーム 
    | | |-------- モーターx2 
    | | |-------- モーター取付金具x2 
    | | |-------- 可逆モータパワー変換ボード 
    | | |-------- タッチセンサ・ロータリエンコーダケーブル 
    | | | |-------- マイクロスイッチx5 
    | | | |-------- コネクタ類 
    | | | |-------- ケーブル類 
    | | | |-------- ケーブル検査仕様書 
    | | |-------- 前面タッチセンサ機構部 
    | | |-------- フォトインタラプタ回路基板 
    | | |-------- 取り付けネジ類 
    | | |-------- シャーシフレーム試験仕様書 
    | |-------- 電子回路フレーム組立図 
    | | |-------- 電子回路フレーム 
    | | |-------- ISA ラック 
    | | | |-------- CPU ボード 
    | | | | |-------- フラッシュディスク  
    | | | |-------- FPGAボード 
    | | | | |-------- ドータボード 
    | | | |-------- テンキー 
    | | | |-------- 液晶ディスプレイボード 
    | | | |-------- 電源制御基板 
    | | |-------- ロータリエンコーダ 
    | | |-------- 超音波センサボード 
    | | | |-------- 超音波センサx5 
    | | |-------- 赤外線センサボード 
    | | | |-------- 赤外線センサx6 
    | | |-------- 電子フレーム部ケーブル接続図 
    | | | |-------- コネクタ類 
    | | | |-------- ケーブル類 
    | | | |-------- ケーブル検査仕様書 
    | | |-------- 取付金具 
    | | |-------- ネジ類 
    | |-------- ケーブル接続図 
    | |-------- 電池ホルダ 
    | |-------- 取付金具 
    | |-------- ネジ類 
    |-------- ソフトウェア取り扱い説明書 
    | |-------- FPGA回路データ 
    | | |-------- インストール手順書 
    | | |-------- 取り扱い説明書 
    | |-------- 行動制御プログラム 
    |  |-------- インストール手順書 
    |  |-------- 取り扱い説明書 
    |-------- 電池 
    |-------- MIRS0104システム試験仕様書 
    |-------- MIRS0104取扱説明書  
     

  2. エレクトロニクス回路構成/機能

    エレクトロニクス回路を機能ブロックに分割し、各ブロックの機能を定義する。また、各機能がどのよ うな回路基板に搭載されるかを明記し、基板間の インターフェースを決める。インターフェースに関して、信号の論理仕様、電 気的仕様、コネクタ形状、ピンアサインなどを決めておくのが望ましいが、機 構の設計に支障が無ければ厳密に決めておかなくても良い。基板間のインタフ ェース仕様は、詳細設計仕様書で規定する。


    図3.MIRS0104エレクトロニクス回路ブロック

    各部の機能

    1. CPUボード部(CPUボード)調査報告書
      MIRSの情報処理、姿勢制御、駆動制御など各種演算を行うためのCPUを積んでいて ISAラックに積みこむことができ、ISAバスに差し込みが可能。
      基本システムとして必要な機能の全てと、Flash ROM Disk機能、EtherNet、VGAを内蔵したCPU付IBM AT互換カード
      • AT-461VREP   
      • AMD社製AM486DX5-133(SQFP)を実装済み。(クロック: 133MHz)   
      • 2次キャッシュ・メモリは256KB内蔵し、AT-461VREPは最大64MBのD-RAMが搭載可能
      • ボード上にブート可能な、FlashROMDiskであるM-Systems社製のDiskOnChip(8〜144MB、オプション)が搭載可能

    2. フラッシュディスク(FD)
      • 記憶媒体。記憶装置としてハードディスクの役割を果たす。(64MB)   
    3. FPGAボード部(FPGAボード) 調査報告書
      各センサの信号、制御信号の処理、各入出力機能の制御。
      • タッチセンサ信号・赤外線センサ信号・超音波センサ信号の処理
      • パワーオン信号・ロータリーエンコーダ信号の処理
      • 液晶表示ディスプレイ制御信号・モータパワー制御信号の処理
      • ハードウェア割り込み処理   
      • 上記の各入出力機能の制御

    4. ドーターボード部 調査報告書
      • FPGAボードで行っているATLMIRS独自の入出力機能の制御を補助するためのボード
    5. 電源ボード部 (PDボード)調査報告書
      • エレクトロニクス回路用の5v電源、駆動用の12v電源を用意する。それぞれの電源は分離されている。
    6. モータパワー制御部(MPC)
      • DCモーターは一般に言う直流モーターのことであり直流電源でまわる。大きな起動トルク、出力効率の良さが特徴。PWM制御からのパルスによってエネルギーを得る。このパルス幅を変調することによって 結果的にモーターへの供給エネルギーを調整することが出来る。この制御法は、電力パルスがオンの時だけモーター電流を流す。また、パルスのデューティー比を変えることによって、モーターの回転数が変わる。
    7. テンキー(TEN)
      • MIRSを直接制御するインターフェイス
    8. 超音波センサ部(USS) 調査報告書
      •  40kHzの超音波を使用して距離を測定する。ポストの発見、距離の測定のために使用する。
    9. 赤外線センサ部(IRS) 調査報告書
      • ポストから発信される赤外線を受信し、 さらにそのポストの番号を確認してポストを獲得するために使用する。
    10. 白線感知センサ部(WLS) 調査報告書
      • MIRSが何らかの誤動作で競技場から出そうになってしまった場合に白線を感知し、競技場内に戻るために使用する。
    11. タッチセンサ部(TS) 調査報告書
      マイクロスイッチを用い、スイッチ押下時のチャタリングを除去した信号を送る。
      • MIRSがポストのセンサ部に接触し、ポスト取得を認識するために使用する。
      • 誤動作で障害物(ポスト)などに衝突した場合、MIRSが障害物を認識するために使用する。
    12. 液晶ディスプレイ部 (LCD)調査報告書
      • MIRSの行動の状態を表示するために設置する。
    13. ロータリエンコーダ制御部調査報告書
      • タイヤの回転数をパルスにして、回転子の回転数と速度の検出を行う。 仕組みはLEDの光を、スリットで通過、遮断させ、それを受光素子で検出後、信号にする カウンタ回路はカウンタ(7bit)と方向判別(1bit)の両方を兼ね備えている。
    14. モータ部
      • MIRS本体の駆動部分。ここの回転によりMIRSを動かす。 DCモータは、電源から供給される電力に応じて回転力を発生する電気エネルギー → 機械エネルギ変換器である。一般的に言う直流モーターであり、直流電源で 回すことができる。 モータはPWM制御部からのパルスによってエネルギーを供給されることにより 動作する。このパルス幅を変調することによってモーターへの供給エネルギーを 調整し、モータの回転数を調節することが出来る。

  3. エレクトロニクス回路基板

      1.. 回路基板の外形と取り付け穴位置、コネクタ位置、センサ取り付け位置などを
    図を用いて示す。この内容をもとに機構の設計を行うので、よく検討して後の変更が
    無いように作成しなければならない。
      2.. 下記については標準MIRS基板を使用するので MIRS データベースを参照するこ
    と。
        a.. CPU ボード仕様(暫定版) MIRSATLMーDSGN-0003
        b.. FPGA ボード(暫定版) MIRSATLMーDSGN-0003
        c.. モータパワー制御ボード製造仕様書 MIRSDBMD-SBRD-0800
        d.. 赤外線センサボード製造仕様書 MIRSDBMD-SBRD-0500
        e.. 超音波センサボード仕様(暫定版)MIRSATLMーDSGN-0003
        f.. 電源ボード仕様(暫定版)MIRSATLMーDSGN-0003
    
      3.. ドータボード
        a.. FPGA の20pin ジャンパコネクに接続したとき、ISA ラックに収納可能なこ
    と。
        b.. IO 接続がコネクタが ISA ラックの外に出て、ケーブルの取外しが容易であ
    ること。ただし、不必要にラックの外に飛び出さないこと。
        c.. ボード外形を図3に示す。
    
        図3. ドータボード外形図
    

  4. ソフトウェアビジビリティ

    本システムのソフトウェアビジビリティ(ソフトウェアから見たとき、ハードウェアにどうアクセスするのかを示したもの)はATL-MIRSソフトウェアビジビリティの仕様とほぼ同一である。太字が変更点である。

    ・使用するセンサの数

     ・超音波センサ・・・5個(前真中、前左、前右、左、右)
     ・赤外線センサ・・・6個(前、右、白線感知右前、白線感知右後、白線感知左前、白線感知左後)
     ・タッチセンサ・・・1個

     

  5. ソフトウェアビジビリティ
    1. 超音波センサ信号処理モジュール
    2. Table.7_d_4 超音波センサ信号処理モジュールのソフトウェアビジビリティ
    3. アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      0130H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      22
      21
      20
      W
      D2,D1,D0で選択したセンサに40μsecの間送信信号を送信する。
      0132H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      M
      R
      W
      超音波センサモジュールの割り込み信号(IRQ3)のマスク、アンマスク、リセットを行う。
      * M ・・・ '1' : 割り込み信号のマスク   '0' : 割り込み信号のアンマスク   * R ・・・ '1' : 割り込み信号のリセット

    4. タッチセンサ、赤外線センサ、パワーオン信号処理モジュール
    5. Table.7_d_5 タッチセンサ、赤外線センサ、パワーオン信号処理モジュールのソフトウェアビジビリティ
    6. アドレス
      D15
      D14
      D13
      D12
      D11
      D10
      D9
      D8
      D7
      D6
      D5
      D4
      D3
      D2
      D1
      D0
      R/W
      機能説明
      140H
      PO
      '0'
      '0'
      '0'
      '0'
      '0'
      '0' TS
      '0'
      '0'
      IRS5
      IRS4
      IRS3
      IRS2
      IRS1
      IRS0
      R
      POはパワーオン信号、TSはタッチセンサ、
      IRS*は赤外線センサの状態をそれぞれ示す。
      0142H
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      *
      M
      R
      W
      TIP_Mの割り込み信号(IRQ6)のマスク、アンマスク、リセットを行う。


      * PO , TS , IRS* ・・・ '1' : ON   '0' : OFF   * M ・・・ '1' : 割り込み信号のマスク   '0' : 割り込み信号のアンマスク
      * R ・・・ '1' : 割り込み信号のリセット  

5 ソフトウェア