沼津高専 電子制御工学科
FPGAボードの調査報告書
MIRS0103-TECH-0001
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.12.14 渡辺 鈴木
初版
A02 2001.12.18 渡辺 鈴木
ドーターボードを追加

  1. 目的
  2. 概要
  3. 取扱い説明
    1. FPGAボードのセット方法
    2. Maxplus2での回路情報の呼び出し方法
    3. 圧縮ファイルの内容
  4. MIRSへの応用
    1. 機能概要
    2. 機能詳細
  5. 補足 ドーターボード
    1. 構成
    2. 外形

  1. 目的

    FPGAボードの使用方法と、使い道を調査、把握する。

  2. 概要

    1. FPGAとは…

      FPGAとは、PLD(Programable Logic Device)と呼ばれる購入後に論理回路を書き込める集積回路の一種で、比較的規模の大きなものを指すことが多い。またFPGAボードでは、デジタル信号しか処理できない。なお、標準MIRSにおいて、使用できるポート数は10個である。

    2. ISAバスとは

      IBM社のパソコンであるPC/ATで採用されたバス(パソコン内部のデータ伝送路)規格を、IEEEが正式に標準化した物.パソコン用のバス規格としてはもっとも普及し、事実上の業界標準だが、最大データ転送速度が8MB/sと遅い。ISAバスは性能は低いが、仕様が単純なため、拡張カードの設計が比較的容易である。そこで、MIRSカリキュラムではセンサ回路をISAバス仕様の拡張カードで実現する。


  3. 取扱い説明

    1. FPGAボードのセット方法

      1. FPGAボードが、MIRSATLM FPGAボード製造仕様書の指示に従い作成されていることを確認する。
      2. バックプレーンに指しこみます。

    2. Maxplus2での回路情報の呼び出し方法

      • 手順
        1. 圧縮ファイルisaio.zip をダウンロードします。
        2. isaio.zip を適当なフォルダで解凍します。

    3. 圧縮ファイルの内容

      isaio.zip には以下のファイルが入っています。

        isaio.ttf
      isaioの回路情報ファイル

  4. MIRSへの応用

    1. 機能概要

      MIRSATLM FPGAボード超音波センサモジュールは超音波センサボードで超音波の送受信を行うためのものであり、FPGAボード内のFPGAチップに構成される。この機能を実現するためにMIRSXATLM FPGAボード超音波センサモジュールでは以下のような機能構成を持つ。。


      Fig.1 FPGAボード機能構成図(fpga_b.jpg)

    2. 機能詳細

      機能詳細では、機能構成図(Fig.1)に示した各機能ブロックの詳細説明を行う。

      MIRSではFPGAボードを使って以下の機能を実現する。
      • タッチセンサ信号の処理
      • 赤外線センサ信号の処理
      • パワーオン信号の処理
      • 超音波センサ信号の処理
      • ロータリーエンコーダ信号の処理
      • 液晶表示ディスプレイ制御信号の処理
      • モータパワー制御信号の処理
      • ハードウェア割り込み処理
      • 上記の各入出力機能の制御

      1. アドレスデコーダ : 16bitのアドレスデータからモジュールセレクタ信号を作り出し、AEN信号に合わせて各モジュールに出力する。また、各モジュールが16bitのデータ入出力を行えるように IOCS16 信号を制御する。
      2. 液晶ディスプレイ制御モジュール : CPUから送られてくる8bitの液晶ディスプレイボード制御信号の出力制御を行う。
      3. モータパワー制御モジュール : CPUから送られてくる速度データをPWM変換し、同じくCPUから送られてくる方向データと共に出力する。
      4. ロータリーエンコーダ制御モジュール : ドーターボードに搭載されているロータリーエンコーダカウント回路の制御信号の出力制御と8bitのロータリーエンコーダカウント値の入力制御を行う。
      5. 超音波センサ信号処理モジュール : CPUから超音波センサ選択信号を受けると、2bitの超音波センサ選択信号、超音波の送信信号となる幅0.4[ms]、周波数約40[kHz]のパルスと、回りこみ除去回路へのタイミングパルスである受信タイミング信号を出力する。又、超音波センサから受信信号を受けとると、割り込み信号を、割り込み信号のリセットを行うまでCPUへ出力し続ける。
      6. タッチセンサ、赤外線センサ、
      パワーオン信号処理モジュール
      : 赤外線センサボードから送られてくる断続的なパルス信号の引き伸ばしを行う。
      6bitの赤外線センサ信号、6bitのタッチセンサ信号、1bitのパワーオン信号を16bitのTIP信号としてCPUに出力する。
      上記の3種類の信号に変化が生じた時に、CPUから割り込みリセット信号が来るまでCPUに割り込み信号を出力する。
      7. ダミーモジュール : ISAバスの信号の内、ATLMIRS用の各モジュールで使用しない信号をハイインピーダンスに接続する。

    3. モジュール間インターフェイス

      1. ISAバス
      2. アドレスデコーダ
      3. 液晶ディスプレイ制御モジュール
      4. モータパワー制御モジュール
      5. ロータリーエンコーダ制御モジュール
      6. 超音波センサ信号処理モジュール
      7. タッチセンサ,赤外線センサ,パワーオン信号モジュール
      8. 入出力コネクタ

  5. 補足 ドーターボード

    ドーターボードはFPGAボードの補助ボードであり、以下の機能を有する。

    • ドーターボードを通してFPGAボードにつながる各基板に電源(5V GND)を供給する。
    • 液晶ディスプレイボードのコントラストアドジャストを行う。
    • タッチセンサ(マイクロスイッチ)から入力されるスイッチ入力のチャタリング除去を行う。
    • 超音波センサ選択信号によって選択された超音波センサをFPGAボードの超音波センサ信号処理モジュールに接続する。
    • NEC製 IC μPD4701 を用いてロータリーエンコーダから送られるエンコード信号のカウントを行う。
    • FPGAボードから送られてくるMPC信号を用いて、MPCボードのフォトカプラを動作させる。
    • PDボードから送られてくる駆動系電源ON信号からパワーオン信号を作ってFPGAボードに出力する。

    1. 構成
            

      Fig.2_a ドーターボードのブロック図        Fig.2_b ドーターボードの電源系統図

      1. LCDコントラストアドジャスト回路 : ボリウムを用いてLCDボードの液晶ディスプレイのコントラストアドジャストを行う。また、その他の信号を素通りさせることでFPGAボードのジャンパとしての機能を持つ。
      2. パワーオン信号処理回路 : PDボードから送られてくる駆動系電源ON信号を用いてフォトカプラを動作させ、その出力信号をパワーオン信号としてFPGAボードに出力する。
      3. 超音波センサ選択回路 : マルチプレクサの制御信号に超音波センサ選択信号を入れることにより、ATLMIRSの4つの超音波センサとFPGAボードの超音波センサ信号処理モジュールの接続制御を行う。
      4. タッチセンサ入力チャタリング除去回路 : タッチセンサ(マイクロスイッチ)から入力されるスイッチ入力のチャタリング除去を行いタッチセンサ信号としてFPGAボードに出力する。
      5. ロータリーエンコーダ・カウント回路 : NEC製 IC μPD4701 を用いて、左右のモータに取り付けられた2個のロータリーエンコーダから送られるエンコード信号のカウントを行う。
      6. モータパワーコントロール信号処理回路 : FPGAボードからオープンコレクタ出力として送られてくるMPC信号に抵抗を介すことで、MPCボードのフォトカプラを動作させる。

    2. 外形

      Figure.2_c ドーターボードの外形図 (コネクタに付いている丸印はコネクタの1pinを示す)