本ドキュメントは，MIRS0103の行動プログラムを作る際に使用するライブラリ関数の説明をしたものである。

MIRS0103に搭載しているタッチセンサ，赤外線センサ，超音波センサを区別するために，fig.1のように番号をめる。

fig.1

fig.2

モード関数について

#include <types.h>
#include <mirs.h>
#include <libts.h>
#include <libirs.h>
#include <libuss.h>
#include <libmouse.h>
#include <libpwm.h>
#include <liblcd.h>

ライブラリ関数の説明

1. タッチセンサ
   
   • int get_TS(int num)
     この関数は指定したタッチセンサの状態を取得する。
     引数として1〜4までのタッチセンサの番号を送る。
     戻り値は，指定したタッチセンサが押されているなら1，押されていなかったら0になる。
     

     if (get_TS(1) == 1) {
     	…
     }
     

     上のように書くと，1番目タッチセンサが押されていたら，if文が実行される。
   • int get_TS_all(int *data_array)
     この関数はすべてのタッチセンサの状態を取得する。
     引数のdata_arrayに各タッチセンサの状態が書きこまれる。 そのため，data_arrayはプログラム中で宣言しておく必要がある。
     

     int TS_data[4];
     
     get_TS_all(TS_data);
     if (TS_data[1] == 1) {
     	…
     }
     

     上のように書くと，タッチセンサの状態がTS_dataに書きこまれ， 2番目のタッチセンサが押されていたら，if文の中が実行される。
2. 赤外線センサ
   
   • int get_IRS(int num)
     この関数は指定した赤外線センサの状態を取得する。
     引数として1〜8までの赤外線センサの番号を送る。
     戻り値は，指定した赤外線センサが認識しているポストの番号が返る。0ならポストを認識していない。
     

     if (get_IRS(1) != 0) {
     	…
     }
     

     上のように書くと，1番目の赤外線センサが何かポストを認識していたらif文を実行する。
   • int get_IRS_all(int *data_array)
     この関数はすべての赤外線センサの状態を取得する。
     引数のdata_arrayに各赤外線センサの状態が書きこまれる。 そのため，data_arrayはプログラム中で宣言しておく必要がある。
     

     int IRS_data[8];
     
     get_IRS_all(IRS_data);
     if (IRS_data[1] != 0) {
     	…
     }
     

     上のように書くと，赤外線センサの状態がIRS_dataに書きこまれ， 2番目の赤外線センサがポストを認識していたら，if文の中が実行される。
3. 超音波センサ
   
   • double get_USS(int num) 引数で値を読みこむ超音波センサを指定する。
     戻り値として指定した超音波センサの値が返る。単位はmm。
     

     double USS_data = get_USS(1);
     
     if(USS_data < 2000.0) {
     	…
     }
     

     上のように書くと，2m以内に何か物体を感知したらif文の中が実行される。
   • double get_USS_all(double *data_array) すべての超音波センサの値を読みこむ。 引数のdata_arrayに各超音波センサの状態が書きこまれる。 そのため，data_arrayはプログラム中で宣言しておく必要がある。
     

     double USS_data[4];
     
     get_USS_all(USS_data);
     if(USS_data[1] < 2000.0) {
     	…
     }
     

     上のように書くと，2番目の超音波センサが2m以内に何か物体を感知したら，if文の中が実行される。
4. PWM
   

   PWMの移動を行う関数はモジュールの方に移動命令を送る処理を行うだけで、移動が終わるまで移動の関数から 処理が戻ってこないわけではないので注意!!

   • int str_PWM(double dis, int velocity)
     MIRSをdisで指定した距離前進させる(相対座標)。値をマイナスにすると後退する。 単位はmm。また，velocityで速度を指定できる。 値は0〜127までの整数。ただし，小さすぎると， 動かない可能性があるので注意する必要がある。

     str_PWM(-500.0, 80);
     

     上のように書くと，MIRSを50cm後退させることができる。
   • int rev_PWM(int ang, int velocity)
     MIRSをangで指定した角度回転させる(相対角度)。正の値で右回転、負の値で左回転させる。 また、回転した後は現在向いている方向をMIRS構造体のmdirに更新することを忘れないように。 値はY軸+方向を0とし、時計方向に増やして0〜359までで表す。

     rev_PWM(-90, 80);
     

     上のように書くと，MIRSを左に90度回転させることができる。
   • int move_PWM(double x, double y, int ang, int velocity)
     MIRSを指定したx,yの位置にangの角度に向くように移動させる(絶対座標)。単位はmm。しかし信頼性が低く ちゃんと実装できるか不明なので出来るだけ使わないほうが吉。

     move_PWM(-500.0, 1000.0, 270, 80);
     

     上のように書くと，MIRSを(-500.0,1000.0)の位置に移動させ、 X-方向に向かせることができる。
   • int curve_PWM(double right, double left, int dis)
     右タイヤをrightで指定した速度、左タイヤをleftで指定した速度で、 disの値だけ移動させる。rightとleftの比率によって曲線率が決まる。
   • int moving_PWM(void)
     MIRSが現在移動中かを調べることができる。戻り値が1なら移動中、0なら移動していないことを表す。
5. マウス
   
   • int get_mouse_move(vector2 *position, int *dir)
     現在のMIRSの位置(絶対座標)をpositionに、現在向いている方向をdirに受け取る。 方向の値はY軸+方向を0とし、時計方向に増やして0〜359までで表す。

     vector2 pos;
     int dir;
     get_mouse_move(&pos, &dir);
     printf("Position X:%d, Y:%d, Direction Dir:%d\n", pos.x, pos.y, dir);
     

     上のように書くと，現在のMIRSの位置及び方向を画面に表示できる。
   • int get_mouse_move_diff(vector2 *position, int *dir)
     前回取得した時から現在までに移動した量、角度をposition,dirに受け取る。

     vector2 pos_diff;
     int i,dir;
     
     move_PWM(-250.0, 500.0, 80);
     while(i != 1) {
     	get_mouse_move_diff(pos_diff, dir);
     	if (pos.x == 0.0 && pos.y == 0.0) {
     		i = 1;
     	}
     	usleep(500);
     }
     

     上のように書くと，MIRSが(-250.0,500.0)の位置に移動するまで，処理を中断することができる。

• MIRS0103 ソフトウェア詳細設計書(MIRS0103-SOFT-0001)