沼津高専 電子制御工学科
MIRS0003 FPGAボード モータパワー制御モジュール
取扱説明書
MIRS0003-ELEC-1116
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.11.2 松浦 関野 初版
A02 2001.11.30 松浦 関野 圧縮ファイルの追加
  1. はじめに

    この仕様書は、MIRS0003のFPGAボード内のFPGAチップに構成するモータパワー制御モジュールの取扱方法と機能詳細を記載したものである。

  2. 取扱い説明

    1. Maxplus2での回路情報の呼び出し方法

      • ダウンロードファイル
        mpc_m.zip

      • 手順
        1. 圧縮ファイル mpc_m.zip をダウンロードします。
        2. mpc_m.zip を適当なフォルダで解凍します。
        3. maxplus2でグラフィックエディタを開きます。
        4. 解凍ファイルの中にある mpc_m.sym をグラフィックエディタで部品として呼び出します。

    2. 圧縮ファイルの内容

      mpc_m.zip には以下のファイルが入っています。

      mpc_m.acf
      モジュールのコンフィギュレーションファイル(デバイスやピン情報などが入っている)です。
      mpc_m.gdf
      モジュール全体のグラフフィックエディタのファイルです。
      mpc_m.sym
      MPCモジュール全体のブロックシンボルです。
      mpc_latch.vhd
      機能構成図(Fig.1)に示す ラッチ回路ブロックのVHDLファイルです。
      mpc_latch.sym
      出力制御回路のブロックシンボルです。
      mpc_ctrl.vhd
      機能構成図(Fig.1)に示す 出力制御回路ブロックのVHDLファイルです。
      mpc_ctrl.sym
      出力制御回路のブロックシンボルです。
      count_7bit.vhd
      機能構成図(Fig.1)に示す カウンタ回路ブロックのVHDLファイルです。
      count_7bit.sym
      カウンタ回路のブロックシンボルです。
      pwm.vhd
      機能構成図(Fig.1)に示す PWM回路ブロックのVHDLファイルです。
      pwm.sym
      PWM回路のブロックシンボルです。

  3. 機能説明

    1. 機能概要

      MIRS0003 FPGAボード モータパワー制御モジュールは駆動モータのスピード、回転方向を行うためのものであり、FPGAボード内のFPGAチップに構成される。この機能を実現するためにMIRS0003 FPGAボード モータパワー制御モジュールでは以下のような機能構成を持つ。


      Fig.1 FPGAボード モータパワー制御モジュールの機能構成図(mpc_m_block.jpg)

      1. ラッチ回路
         この回路は、データ書きこみ時にそのデータを保持し、次にデータが来るまでデータを保持しておく機能を持つ。
      2. 出力制御回路
         この回路は、データ呼出し命令がきたときにデータをISAバスにデータを送る機能を持つ。
      3. 128進カウンタ
         この回路は、PWM回路でPWM信号を作るために必要なカウンタをクロックから生成している。
      4. PWM回路
         この回路は、モータ制御用のパルス信号を生成する回路で、128進カウンタの値と指定されたデータを比べてデータが大きいとき'0'をデータが小さいときに'1'を出す比較回路である。
      5. オープンドレイン変換部
         この部分はMPCについているフォトカプラを駆動させるために出力をオープンドレインに変換させている回路である。
    2. 機能詳細

       モータパワー制御モジュールではモータの速度、回転方向を制御するために、PWM制御を用いる。PWM制御の詳しい説明はMIRSATLM モータパワー制御技術資料(MIRSATLM-TECH-1002)を参照のこと

      以下では、機能構成図(Fig.1)に示した各機能ブロックの詳細説明を行う。

      1. 入力制御回路
         この回路は、左右のアドレスが指定され、バスの書きこみ命令があると、そのときにデータバスに送られてきているデータを次にデータが送られてくるまで保持し、出力制御回路に送りつづける。
         また、その送られてきたデータ次のデータが来るまでを左右の速度データ、方向データに分けてラッチし、速度データはPWM信号回路に、方向データはオープンドレイン変換回路に次のデータが来るまで送りつづける。
      2. 出力制御回路
         この回路は、左右のアドレスが指定されバスの読み取り命令があるとISAバスのデータバスにいま保持しているデータを送る。
          それ以外の場合は、ハイインピーダンスを出力しておく。
      3. 128進カウンタ
         この回路は、CLK信号から128進のカウンタを作り出している。この信号をPWM回路に入れることでPWM信号を生成する。出力は7ビットである。
      4. PWM回路
         この回路は128進カウンタからのカウンタの値と、速度データを比べてデータの値が大きいときは'1'をデータの値が小さいときは'0'を出力する回路である。この回路を通すことによって、データによってDuty比の違うPWM信号を作り出している。この出力を、オープンドレイン変換回路に送る。これはMPCボードのフォトカプラを駆動させるために、オープンドレイン出力を使うために、HighとLowが逆になっている。
      5. オープンドレイン変換回路
         フォトカプラを駆動させるためには、オープンドレインの出力が必要となるためにここで変換する。オープンドレインとは、オープンコレクタと電気的に等価であり、Highのときに出力がオープンとなり、Lowの時に出力がGNDに落ちるものである。そのため、Lowの時にフォトカプラを駆動させることができるのでPWM回路では、PWM信号がHigh,Lowが逆となっている。その後、この出力を、モータパワー制御ボードに送る。

    3. インターフェース Table 4_1 モータパワー制御モジュールのインターフェース
      信号名
      方 向
      対 象
      概 要
      MPC_ADD0
      IN
      アドレスデコーダ MPCモジュールセレクタ信号(Xモータ選択用)
      MPC_ADD1
      IN
      アドレスデコーダ MPCモジュールセレクタ信号(Yモータ選択用)
      B_SD[0..15]
      IN
      ISAバス 16bit データバス
      IOR
      IN
      ISAバス I/Oリード・ストローブ
      IOW
      IN
      ISAバス I/Oライト・ストローブ
      RESET
      IN
      ISAバス システムリセット
      CLK
      IN
      ISAバス システムクロック 8MHz
      X_PWM
      OUT
      ロータリーエンコーダ Xモータ速度制御信号
      X_DIR
      OUT
      ロータリーエンコーダ Xモータ方向制御信号
      Y_PWM
      OUT
      ロータリーエンコーダ Yモータ速度制御信号
      Y_DIR
      OUT
      ロータリーエンコーダ Yモータ方向制御信号

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