沼津高専 電子制御工学科
MIRS0002基本設計書
MIRS0002-DSGN-0003
改訂記録
版数 作成日 作成者 承認 改訂内容
A01 2001.1.15 全員 野崎初版
A02 2001.2.6 全員 野崎外形図、ツリー、遷移条件、システム試験の改定
B01 2001.4.3 全員 野崎初版
B02 2001.4.26 全員 野崎CGIリンクと概観図と行動計画とモード定義の修正
B03 2001.6.1 野崎 野崎モード定義の修正

目次

  1. はじめに
  2. システム概要
    1. ハードウェア
    2. ソフトウェア
    3. 競技会行動計画
  3. 諸元
       
    1. 外観
    2. 機能性能
  4. ハードウェア構成
    1. システム構成ツリー
    2. エレクトロニクス回路構成/機能
    3. エレクトロニクス回路基板外形
    4. ソフトウェアビジビリティ
  5. ソフトウェア構成
    1. ATL-MIRS 標準 ライブラリ
    2. 動作モードとその遷移
    3. モジュール定義
    4. モードの構成要素
  6. システム試験
    1. システム試験概要
    2. システム試験詳細

1 はじめに

本仕様書はMIRS2000競技規定に基づきMIRS0002チームの作成する自立型小型知能ロボットの基本仕様を記述する。

2 システム概要

  1. ハードウェア

    MIRS0002システムのハードウェアは標準MIRS(注1)に準ずる構成を有するが、MIRS0002固有の機能を実現するためにいくつかの変更点がある。以下、標準MIRSと異なる点のみ述べる。

  2. ソフトウェア

    RT-Linux (Ver.2.3) を OS とし、Linux のユーザプロセスとして行動制御プログラムを起動する。赤外線センサ、タッチセンサからの入力は、行動制御プログラムから、定期的にドライバを呼び出すことにより監視する。走行系の制御と超音波センサの制御は、RTータスクによって行い、RT-FIFO を介して必要なデータ通信を行う。

    プログラムは、C 言語でコーディングする。

  3. 競技会行動計画

    1. 1回目の競技では、ポストにぶつからないように縦方向に直進できるプログラムをテンキーにより選択して、競技を開始する。
    2. 縦移動とともに左右にある超音波センサによりポストを探す。超音波による測定距離がMIRS本体と壁との距離より明らかに少ない場合にポストを発見したとみなす。また、なるべくポストにぶつからないように縦移動モードを決定するが、もし事前に前方のポストの発見なく接触したときはそのポストの獲得へと移る。超音波による事前の前方ポスト発見をした場合はそのポストに接触するまで通常の縦移動によるポスト探索を行う。接触後は獲得へ移る。
    3. 左または右にポストを発見したら、発見した方向(左右同時に発見したときは近いほう)に90度向きを変えて直進し、ポストに接触し、その時接触した位置を記憶する。
    4. 接触したら、ポストの回りを時計回りに円軌道を描いて周回する。(円軌道での周回を開始してから、角度が90°のところにきたら前方超音波センサで、180°では左方超音波センサ、270°では後方超音波センサにより死角にポストがあるかどうかを確認する。)
    5. ポスト周回中に右側の赤外線センサが赤外線を受信したら、その方向を向き直進し、ポストを獲得する。もし、周回しているときにポストが死角に存在していることがわかった場合、第一にすでに獲得しようとしているポストを獲得し、その後死角にあるポストを獲得する。またポスト周回中に右方以外の赤外線センサが赤外線を感知したときは、その方向を向き、直進しポストを獲得した後獲得しようとしているポストをとりに行く。
    6. ポストを獲得したら、縦軌道に戻る。(ポスト獲得後にMIRSの場所が壁と近い地点である時は縦軌道に戻る前に自己位置補正をしてから戻る。)
    7. 壁、ポストが邪魔になる時は回避する。
    8. 2回目の競技では1回目の競技で記憶したポストのある領域をもとに、獲得していく順番(近い順)を決め、順番どおりに獲得動作をしていく。
    9. 獲得動作、回避、自己位置補正は1回目と同様。

    行動計画の詳細は、 行動計画提案書に記載されている。

3 諸元

  1. 外観

    図1に本システムの外観を示す。

    図1. MIRS0002外観図

     
  2. 機能性能

4 ハードウェア構成

  1. ハードウェア構成ツリー

    下記にハードウェアの構成を示す。

           
    MIRS0002製造仕様書
    |--------MIRS0002組立図
    ||--------シャーシフレーム組立図
    |||--------シャーシフレーム
    |||--------モーターx2
    |||--------モーター取付金具x2
    |||--------可逆モータパワー変換ボード
    |||--------タッチセンサ・ロータリエンコーダ
    ケーブル
    ||||-------- マイクロスイッチx5
    ||||-------- コネクタ類
    ||||-------- ケーブル類
    ||||-------- ケーブル検査仕様書
    |||--------前面タッチセンサ機構部
    |||--------左側面タッチセンサ機構部
    |||--------右側面タッチセンサ機構部
    |||--------後面タッチセンサ機構部
    |||--------フォトインタラプタ回路基板
    |||--------取り付けネジ類
    |||--------シャーシフレーム試験仕様書
    ||--------電子回路フレーム組立図
    |||--------電子回路フレーム
    |||--------ISA ラック
    ||||--------CPU ボード
    |||||--------フラッシュ
    ディスク
    ||||--------FPGAボード
    |||||--------ドータボード
    ||||--------テンキー
    ||||--------液晶ディスプレイボード
    ||||--------電源制御基板
    |||--------ロータリエンコーダ
    |||--------超音波センサボード
    ||||--------超音波センサx4
    |||--------赤外線センサボード
    ||||--------赤外線センサx6
    |||--------電子フレーム部ケーブル接続図
    ||||--------コネクタ類
    ||||--------ケーブル類
    ||||--------ケーブル検査仕様書
    |||--------取付金具
    |||--------ネジ類
    ||--------ケーブル接続図
    ||--------電池ホルダ
    ||--------取付金具
    ||--------ネジ類
    |--------ソフトウェア取り扱い説明書
    ||--------FPGA回路データ
    |||--------インストール手順書
    |||--------取り扱い説明書
    ||--------行動制御プログラム
    ||--------インストール手順書
    ||--------取り扱い説明書
    |--------電池
    |--------MIRS0002システム試験仕様書
    |--------MIRS0002取扱説明書

  2. エレクトロニクス回路構成/機能


    図2.MIRS0002エレクトロニクス回路ブロック

    各部の機能
    1. CPU ボード部 (CPU)
      CPUボードの仕様
      • 名称 NEAT-460
      • CPU AMD80486DX5
      • CLOCK 133MHz
      • 外形寸法 142mm x 183mm
      • 販売元 日本データシステム株式会社

    2. FPGA ボード部 (FPGA)
      MIRS0002ではFPGAボードを使って以下の機能を実現する。
      • タッチセンサ信号の処理
      • 赤外線センサ信号の処理
      • パワーオン信号の処理
      • 超音波センサ信号の処理
      • ロータリーエンコーダ信号の処理
      • 液晶表示ディスプレイ制御信号の処理
      • モータパワー制御信号の処理
      • ハードウェア割り込み処理
      • 上記の各入出力機能の制御

    3. ドータボード部 (DB)
      MIRS0002ではドーターボードを使って以下の機能を実現する。
      • ドーターボードを通してFPGAボードにつながる各基板に電源(5V GND)を供給する。
      • 液晶ディスプレイボードのコントラストアドジャストを行う。
      • タッチセンサ(マイクロスイッチ)から入力されるスイッチ入力のチャタリング除去を行う。
      • 超音波センサ選択信号によって選択された超音波センサをFPGAボードの超音波センサ信号処理モジュールに接続する。
      • NEC製 IC μPD4701 を用いてロータリーエンコーダから送られるエンコード信号のカウントを行う。
      • FPGAボードから送られてくるMPC信号を用いて、MPCボードのフォトカプラを動作させる。
      • PDボードから送られてくる駆動系電源ON信号からパワーオン信号を作ってFPGAボードに出力する。
    4. 液晶ディスプレイ部(LCD)
      液晶ディスプレイ(LCD)はMIRSの状態を表示するためのものである。
      FPGAボードの液晶ディスプレイ制御モジュールはLCDの制御を行うためのもので、FPGAボード内のFPGAチップに構成される。
    5. ロータリーエンコーダ
      タイヤの回転数をパルスにして、回転子の回転数&速度の検出を行う。 仕組みはLEDの光を、スリットで通過、遮断させ、それを受光素子で検出後、信号にする カウンタ回路はカウンタ(7bit)と方向判別(1bit)の両方を兼ね備えている。
      製品にコネクタを接続し、タイヤの回転数(アナログ量)をパルス数(デジタル量)に変換する機能がある。MIRSでは最も一般的な光電式を使用する。ロータリーエンコーダは、回転軸の回転速度に比例した、互いに90°位相の異なる2相の近似正弦波を出力しているもので、2相の位相関係から回転方向が判別できる。他に、2相の信号をカウントして回転数を求めることができる。 一般的なロータリーエンコーダの使用方法は、回転子の回転数の検出、 更に、回転子の速度の検出である。
    6. タッチセンサ
      マイクロスイッチを用い、スイッチ押下時のチャタリングを除去した信号を送る。
      障害物(壁、ポール)に衝突した場合、MIRSがこれを認識するためにこれを使用する。
    7. 超音波センサ
      送信信号により超音波を発信し、その超音波の受信により受信信号を出力する。
      MIRSにおいて、障害物の検知・距離測定と自機座標の確認をするセンサ。   
    8. 赤外線センサ
      赤外線センサ回路は赤外線の受光状態を2つの値(反応有り,無し)で得るようになる。この回 路は赤外線センサの受光素子から送られてくるH 又は Lの信号を処理し、信号に状態変化が起きたときに割り込み要求信号をCPUに送る機能を有する。
    9. PWM回路
      PWM回路では、モータを制御する信号であるPWM信号を作り出し、方向データとともに出力する。速度データとカウンタのカウント値との比較によりPWM信号を形成する、この信号のDuty比は0%から50%で、これを128段階に分けている。これは過去の卒研において、Duty比が40%位でもモーターの回転数が十分速いことがわかっているためである。
    10. モータ
      MIRS本体の駆動部分。ここの回転によりMIRSを動かす。
      DCモータは、電源から供給される電力に応じて回転力を発生する電気エネルギー → 機械エネルギ変換器である。一般的に言う直流モーターであり、直流電源で回すことができる。
      モータはPWM制御部からのパルスによってエネルギーを供給されることにより動作する。このパルス幅を変調することによってモーターへの供給エネルギーを調整し、モータの回転数を調節することが出来る。
    11. 電源ボード
      電源制御ボードは、主に2つの機能を持つ。
      1.各ボードの電源として+5Vの電圧を出力する。
      2.非常停止スイッチ用コネクタにより、モーターの電源のみをカットする事を可能にする。  
  3. エレクトロニクス回路基板外形

    1. 下記については標準MIRS基板を使用するので MIRS データベースを参照すること。

    2. ドータボード
      • FPGA の20pin ジャンパコネクタに接続したとき、ISA ラックに収納可能なこと。
      • I/O 接続コネクタが ISA ラックの外に出て、ケーブルの取外しが容易であること。ただし、不必要にラックの外に飛び出さないこと。
      • ボード外形は詳細設計で示す。
  4. ソフトウェアビジビリティ

    本システムのソフトウェアビジビリティはATL-MIRSソフトウェアビジビリティ(暫定版)の仕様を基本とし、MIRS0002の各センサの個数に合わせて、変更する。

5 ソフトウェア

  1. ATL-MIRS 標準 ライブラリ

    ATL-MIRS用に開発された標準ライブラリを使用する。
    ATL-MIRS 標準 ライブラリユーザマニュアル(現在作成中)
    参考 MIRSATLM ソフトウェア仕様書

  2. 動作モードとその遷移

  3. モジュール定義

  4. モードの構成要素

    1. 待機モード
    2. ポスト探索モード
      超音波センサ API、赤外線センサ API、タッチセンサ API、PWM/エンコーダ API
    3. 軌道決定モード
    4. 移動モード
      超音波センサ API、赤外線センサ API、タッチセンサ API、PWM/エンコーダ API
    5. ポスト獲得モード1
      超音波センサ API、赤外線センサ API、タッチセンサ API、PWM/エンコーダ API
    6. ポスト獲得モード2
      超音波センサ API、赤外線センサ API、タッチセンサ API、PWM/エンコーダ API
    7. 自己位置補正モード
      超音波センサ API、赤外線センサ API、タッチセンサ API、PWM/エンコーダ API
    8. 障害物回避モード
      超音波センサ API、赤外線センサ API、タッチセンサ API、PWM/エンコーダ API
    9. 試験走行タスク

6 システム試験

  1. システム試験詳細

    システム試験の詳細は、下記の試験仕様書に記載される。
    MIR0002システム試験仕様書

関連文書