赤外線センサの調査検討

作成日1995/2/23
作成者清智也
改訂記録 

  1. 目的
  2.  ここでは、赤外線LEDと赤外線受光センサの仕組み、特性及び使い方を調べ、MIRSにおける利用法を検討する。

  3. 赤外線について
  4.  赤外線とは、波長約0.7μm〜約1000μmの電磁波のことである。これは、可視光線より長い波長領域にある。すべての物体は、それの持つ温度に対応した電磁波を放射しており、温度が 700℃以下ならば放射波分布は赤外線領域にある。

  5. 赤外線センサについて
  6.  赤外線センサとは、照射光(MIRSでは赤外線LEDにより放射)のフォトン(光子)エネルギーを何らかの形で変換し、電気的に扱えるようにするものである。エネルギーの変換のしかたにより以下のように分類される:
    • 熱形
       エネルギー吸収による温度変化を利用するもの。素子としては、熱電対、サーミスタ・ボロメータ、焦電形素子などがある。特に焦電形素子は、比較的感度が高く、構造が簡単なのでよく用いられる。
    • 量子形
       フォトンエネルギーにより励起される電子によって生ずる導電率の変化(光導電形)や光起電力の発生(光起電力形)により検出する。量子形センサは、反応時間が短いなどの利点はあるが、液体窒素等による冷却が必要なので、MIRS競技等への利用は望めない。

     赤外線センサの利点は、主に「赤外線は可視光線に比べて空気中の透過率が高い、」ということにある(但し、波長によっては透過率が低い赤外線もある。)。

  7. 仕様
    • LED
       MIRS競技規定に従うものとする。
    • 受光部
       本MIRS機においては、開発計画書に書かれたものを変更し、、追跡用3つ、捜索用4つの計7つの赤外線センサを用いる。変更は、前方の死角をなくすために行った。位置は概観図を参照のこと。追跡用センサは検出範囲を限定し、捜索用には幅広い視向性を持たせる。完全な指向角度は実験により定める。  赤外線を検出したら出力信号はHレベル(TTLレベル)で出力し、検出できない場合はLレベルを出力するものとする。

  8. 資料及び検討
    1. 赤外線LED TLN105B
      特徴
      • 放射強度が大きい。
      • 指向特性が広い
      • 光出力の直線性が良く、パルス動作、高周波による変調が可能。
      最大定格(Ta=25℃)
      項目記号定格単位
      直流順電流IF100 mA
      直流電流低減率(Ta>25℃)ΔIF/℃-1.33 mA/℃
      パルス順電流IFP(注)1 
      直流逆電圧VR5 
      許容損失PD150 mW
      動作温度Topr-20〜75 
      保存温度Tstg-30〜100 
      (注)パルス幅<=100μs、繰り返し周波数=100Hz 電気的特性(Ta=25℃)
      項目記号測定条件最小標準最大単位
      順電圧VFIF=100mA1.351.5
      逆電流IRVR=5V10
      放射強度IEIF=50mA1220mW/sr
      光出力POIF=50mA11mW
      端子間容量CTVR= 0, f=1MHz20pF
      ピーク間容量λPIF=50mA950nm
      スペクトル半値幅ΔλIF=50mA50 nm
      半値角θ1/2IF=50mA±23.5°
      使用上の注意
      • 半田付けは、リードのストッパ部より先端部分で行なうこと。
      • 半田付け温度<=260℃、半田付け時間<=5秒
      • リードフォーミングする時は、リードのストッパ部より先端部分で、素子本体 にフォーミングストレスが残らないように曲げ、半田付けはリードフォーミング のあとで実施する。
      検討
      • 競技規定に合う照度になるような電流を流す。(放射する光の照度は電流の大きさにほぼ比例する。)
      • 受光センサIS1U60はパルス波の赤外線しか感知しないので、パルス電流を作る外部回路が必要である。受け付けるパルス幅は約26.4μsである(後述)ので、LEDの規格に合う。ただし、IS1U60は、同じパルス波を連続的に受け付けると受光基準値が上昇するという特性があるので断続的に放射しなければならない(詳細は受光センサのところで述べる)。

    2. 受光センサ IS1U60
      特徴
      • 出力はTTLレベルによるON,OFFのみであり、細かい外部回路を作る必要がほとんど無い。しかし、受信した光の強度を測定できないので、得られる情報量は少ないといえる。
       内部構成
      IS1U60の内部構成を以下に示す。 最大定格
      項目記号定格値単位
      電源電圧Vcc0〜6.0
      動作温度Topr-10〜+60
      保存温度Tstg-20〜+70
      半田温度Tsol260 (5秒以内)
      推奨動作条件
      項目記号動作条件単位
      電源電圧Vcc4.7〜5.3
      電気的特性
      項目記号MINTYPMAX単位備考
      消費電流Icc2.84.5mA入力光なし,出力端子OPEN
      ハイレベル出力電圧VohVcc-0.2V*2,出力端子OPEN
      ローレベル出力電圧Vol0.450.6V*2,プルアップ抵抗2.2kΩ
      ハイレベルパルス幅T1400800μs*2
      ローレベルパルス幅T2400800μs*2
      B.P.F.中心周波数fo38kHz 
      *2) 下図に示すバースト波を、送信機にて送信するものとする。

       検討
      • 電源電圧は5Vの物を使用するので問題ない
      • 出力電圧はTTLレベルの範囲内にあるから問題ない。ただし、出力はパルス波(方形波)で送られてくるのでそれを処理する回路が必要である。
      • はんだ付け、又はお茶漬けを行うときは、資料に記されたやり方で行うことが大事である。
      • ほこり等で受光面が汚れると誤動作することがあるので、保存場所や周囲温度には十分気を配る必要がある。また、受光面は触れないようにする。
      • 受光特性や可視光遮断フィルタについては実験により確かめるほうがよい。

  9. 必要な外部回路
    1. LEDパルス発生回路
       受光センサIS1U60はパルス波の信号しか受け付けないので、それをLEDで発生させるための回路が必要である。論理素子によって作るが、クロック周波数やMIRS競技規定に左右される。
    2. 赤外線信号処理回路
       IS1U60から出力される信号はパルス波であるから、これを一つの方形波にまとめる回路が必要である。また、割り込み信号を作成する回路も作らねばならない。

     これらの回路の詳細設計は後に行うこととする。(卒研生の物を利用?)

  10. まとめ
  11.  以上で報告を終了する。

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